【はじめての劇場】
実はKAATって行ったことがなかったんですよ。ご縁がなくて。お隣の神奈川県民ホールには全国ツアー公演で何度か行ったことがあるのですが。横浜って我が家から遠いんですよね。電車一本で行けるんですが、在来線に１時間半座りっぱなしがなんとなくしんどい。横浜中華街のご馳走をセットにしないと行く気になれない（食い意地）そんな立地です。
オリンピック会場が近いので、混雑していたら嫌だなあと思っていたのですが、そんなに混んでいませんでした。しかも、駅からそれっぽい人について行ったら劇場に着いた。宝塚ファンあるある（笑）
KAAT先輩達から「とにかく音響がいいよ！」と聞いていたのですが、この日のわたしのお席は最前列センターブロック。音響の良し悪しはよくわかりませんでした。贅沢にも。でも、前方席によくある、生声とスピーカーからの声が微妙にズレてて気持ちが悪いということはなかったかな。次にKAATに行くときは、２階席なので音響の良さを体験できそうです。
調べてみると、いろんな形態の演劇に対応しているそうで、演目によって座席の傾斜が変えられたり花道やオケピが増設出来たりと、なかなかハイスペックな箱のようです。それでも座席のシートはちょうど良い感じで、身体が痛くなったりはしませんでした。
帰りに横浜中華街でランチをして、好物の中華菓子を買って帰りました。雨天だったということもあるかと思いますが、閑散としていてさみしかったです。休業中でシャッターを閉じているお店も目立ちました。元気な街に戻って欲しいです。
【期待】
ということで、サラリと流してしまいましたが、最前列センターブロックのお席ですよ！！１０年に１回あるかないかの最前列ですよ！！
愛月ひかる様主演の『マノン』のニュースが飛び込んできた瞬間に「見たい！」「すごく似合いそう！」と思いました。しかも、相手役がくらっち（有沙瞳）なんて、サイコーじゃん！きっと、わたしの興奮が友会さんに通じたんだと思います。たまに見せる友情をここで発揮してくれるなんて。ありがとう友会ズッ友だよ。
あさこさん（瀬奈じゅん）の『マノン』はスカステで、映像で見たことがあります。「未来はいらない、今をくれ」とか「怖いわ、お金がないの」とかのパワーが半端ない台詞は記憶に残っています。蘭寿とむさんのレスコーが印象的だった。物凄い蜂の巣だったので（笑）
いろんな意味で色濃いお芝居、愛ちゃんとくらっちなら、存分に魅せてくれるだろうという期待がありました。
【所感】
いやいやいや、最前列の破壊力！！月並みだけれど、タカラジェンヌってなんて美しいの！？指先まで繊細で、いい匂いがして、額に滲む汗すらも美しくて、お目々がキラキラ輝いている！！美しいタカラジェンヌと、鮮やかなお衣装と、繊細で煌びやかな娘役さんのアクセサリーが目に飛び込んできて、何が何だかよくわからなかった。一体あれは何だったのだ！？わたしは何を見たのだ！？あれは間違いなく「美」そのものであった。あの時間の心拍数と脳波を測ったら「美を浴びすぎている」って測定されんじゃないのかな。ってくらいに圧倒された。オケピがないから、本公演より近いんですよ。ずっと。
圧倒され続けながらも、レトロとも言い難い洒落っ気のない台詞に突っ込みを入れたり、やや説明不足なところを想像で補ったりしながら観るくらいの脳のキャパは残っていたようです。パワーワードの連続に圧されて忘れちゃうけど、結構突っ込みどころが多くて、それはそれで面白かったです。一番ズコーってなったのは、マノンが最期に「今までの暮らしを悔い改めます」みたいに言い出したところ。「いやいや、悪い行いをしてる自覚があったんかい！」っていう。くらっちのマノンは、罪の意識なく、純粋に、楽しく生きてるだけの美少女に見えたので、突然の懺悔にびっくりしてしまったのです。死を目の前にして考え方が変わったとも受け取れるけれど、それにしても、なんと唐突な（笑）
シナリオには「！？！？！？」みたいな感情を抱かずにはいられなかったですが、愛ちゃんとくらっちのコンビは最高でした。これでもか！と見せつけてくるバックハグ。二人ともお顔が小さいので、衣装が映える映える。特にくらっちのドレスはどれも素敵で、間近で観られて幸せでした。このコンビでスペインものだったら、『激情』が観たかったなあ。『激情』をやるには、人数が足りなかったのかなあ。あかさん（綺城ひか理）のガルシアとか、素敵だったと思うんだけどなあ。
お名前はよく聞くけれど、なかなか顔と名前が一致しなかった天飛華音くんのお芝居もじっくり観られて良かった。彼女役（なのか？）の水乃ゆりちゃんも可愛かった。星男の色濃い男役たちも魅せてくれてめっちゃどきどきしました。
フィナーレがあったのも嬉しかったな。ギラギラのあかさんに元花男、現星男のパッションを見たよ。ずっとガン見していたのがバレたのか、華雪りらちゃんがいっぱい目線をくれたのが嬉しかったよ。パレードでとびきりのスマイルをくれた遥斗勇帆くんありがとう。そしてわたしはやっぱり大希颯くんが好きみたいで、どうしても目で追ってしまう。お顔と立ち姿が好きです。
【キャスト】
ロドリゴ/愛月ひかる
知ってたけど、お顔が小さい！スタイルが神！そんな愛ちゃんが衣装を取っ替え引っ替えして濃ゆいお芝居を魅せてくれるもんだから、満足度が半端なかった。皆さんご覧になりましたか、あの開襟を！？あれこそが成熟した男役芸ですよ。星組の下級生さんはみんな愛ちゃんの開襟を目指して欲しい。
わたしが男役さんを見るときに最重要視しているのが「いかに相手の娘役を美しく見せられるか」なんですけれど、パニエたっぷりのドレスを着たくらっちを美しく見せる愛ちゃんのエスコート。こういうところが大好きですよ。
愛ちゃん＝色気のある男役、なんですけれど、ロドリゴは純粋すぎるが故に破滅してしまう男。ギラギラというよりは、キラキラとしたお役。追い詰められていって、目を潤ませて絶望して悶えているロドリゴに「泣いちゃうの？」とハラハラさせられ、心を掴まれた感じがありました。わたしこういう役柄にときめかないタイプなんだけど珍しいなあ～。
カテコの挨拶も落ち着いていて、お話が上手な愛ちゃん。新人公演の時のかわいいご挨拶を思い出したりしていました。大きくなったね（親戚か）
マノン/有沙瞳
素敵なお衣装いっぱいで、わたしの女の子の心がいっぱいときめきました～～。最前列だったから、レースのディテールや靴なんかもじっくり見ることが出来ました。髪飾りもアクセサリーどれも素敵だった！所作が本当に綺麗で洗練されていて、マノンはいったい何者なのか、どこでそんなエレガントさを身につけたのかと不思議に思ったよ。
いやほんと、マノンは全然よくわからん女だった。
ミゲル/綺城ひか理
主人公の親切な友人枠。ちょっと不憫なお友達だった。あかさんの任に合っていたとは思うけれど、脚本が薄すぎて勿体ないなと思った。もっと芝居が出来る人だと思うから、もっと書き込んで欲しかった。
フィナーレのあかさんは最高でした。良くオラついていたでしょう。
レスコー/天飛華音
新公学年が上級生をゆする役は大変だったと思いますが、健闘されていたと思います。押し出しの強さも感じました。でも、恋人役へのアプローチは、まだまだ下級生なんだなあと思いました。良い蜂の巣だったよ。ピストルで身体を支えるやつが再現されてて、あれが格好良くて好きだったので嬉しかった！お顔と名前を覚えたので、これからのご活躍楽しみにしています！
オリベイラ伯爵/大輝真琴
今回のイケおじ大賞のマイケル。ずっとロドリゴを理解してやれない父親なのかなと思ったけれど、最後には情けをかけようとするところも見えた。もう少し、ロドリゴの家庭環境が見えたら面白かったのになと思ったのは、マイケルのお芝居がとても良かったからです。
フェルナンド/輝咲玲央
悪い男のオレキザキ！ありがとうございます、最高でした。香り立つような色気にドキドキされっぱなし。おとなの男役さんが好きです。めっちゃ格好良かった。
オリベイラ夫人/紫月音寧
おとねちゃんのお芝居すごく良かった…！このお母さん、きっと今まで家庭や夫のことでたくさん悩んで苦労してきたんだろうなと思った。なんか、そんな影を感じたんですよ。お芝居の人っていうイメージがなかったので、新鮮でした。
アルフォンゾ公爵/朝水りょう
えっちだった。とってもえっちだった。朝水先輩の視線ひとつひとつがいやらしいんですよ。最高ですね。お髭も似合っていた。お髭の触り方がセクシーだった。ありがとうございました。
ずっと「アルフォート公爵」に空耳してましたごめんなさい（笑）
ホアン/桃堂純
今作でご卒業のももちゃん。落ち着いた、良いお兄さんっぷりが印象的でした。声も良かった。背が高いのも良い。フィナーレでも、一際輝いて見えました。ご卒業おめでとうございます。
