すーぱーからしちゃんねる

からしがみたものをまとめたものです。

花組東京宝塚劇場『A Fairy Tale /シャルム!』

【ご縁あって】

ポーの一族以降、チケット難すぎて観に行けていなかった花組さんでしたが、ご縁あって観に行くことができました。嬉しかった。実は、宝塚ファンになってから、ずっと久美さん(芽吹幸奈)が好きで、最後のお茶飲み会に行くことも叶いました。女神様のような方でした。
そして、男役・明日海りおの最後の輝きをこの眼におさめられたことを、誇りに思うのでした。
千秋楽10日前くらいに観劇して、千秋楽は実家の近くの映画館でライブビューイングを母と一緒に観て(映画館は片田舎のショッピングモール内にあるのだけど、今までに経験したことのない大混雑であった。)ひとつの時代の終わり、そして新しい時代の始まりを見届けることができました。

【A Fairy Tale】

早々にお話を追うことを諦めて、今の花組の美しさを堪能することに決めたのが良かったと思います。
植田景子先生のお話が、どうにもわたしには説教くさく感じてしまい、決定的だったのは、年老いることをネガティヴに捉えたヒロイン像でした。少女の姿に戻されるのが、ご褒美のように与えられているのがちょっと受け容れられなかった。年老いることがネガティブに捉えられているベースが見えて。年老いることは失うことばかりなのだろうか。彼女が歌い出すと自然に立ち上がり踊りだし、少女の姿に戻るなら納得できたよ。
舞台装置や転換はとても美しく、衣装も音楽も良かったのになあ。
私的な事情も重なって、母とわたしはラストシーンの白いバラに大号泣したのですが、これは本当に私的な理由なので、どんなお話だったかと聞かれると「うーん」としか言えないのが残念でした。
ただ、みりおちゃんを是が非でも美しく見せようとする心意気は感じましたし、れいちゃん(柚香光)も人間味があるあったかいお芝居で、しろきみちゃん(城妃美伶)も素敵な女性だった(おい庭師とのラブは匂わせておいてスルーかなのかよとは思ったけど)し、華優希ちゃんをたしなめる久美さん(役名、とは)も見せてくれたので、サヨナラ公演ってこんなもんですよねという感想に陥った(陥る、とは)
明日海りお最後の男役が、妖精さんで良かったのかという疑問は残りますが、わたしには『春の雪』の松枝清顕や『金色の砂漠』のギィという、悍しいほどに美しい苦悩系男役の思い出があるし、明日海りおを観てきた誰しもが、「思い出のあの美しい姿」というものを持っているので、これはこれで素晴らしかったと言えるのでしょう。

【シャルム!】

「これこそが、わたしの観たい明日海りおだーっ!!」って思った。重低音が響く中、妖しくて美しい悪夢のように、ちょっと毒気を含んだ笑みを浮かべて、歌声を響かせる麗人こそが、わたしの好きなみりおちゃんなのです。まず、主題歌に心を掴まれたのが一番良かった。これは大事。
時々、「あれ?『クラシカル・ビジュー』で観たよ??」と思ってしまう構成はなんとかならんのかとは思った。そして、華優希ちゃんが通し役(フルフル)だったからなのかなあ、同じような印象の登場で、ちょっと残念だった。少女感だけでなくて、妖女とか、強い女、とかも観たい。でも、これはれいちゃんがトップになるまでお預けなのかな。でも、れいちゃんのダンスには、次期トップの輝きとか意気込みが感じられて、「れいちゃんが真ん中で踊る花組が楽しみだなあ!」と思わせてくる場面が何度もあったのが嬉しかったです。
中詰で、白姫あかりちゃんが、いっぱい釣ってくれて嬉しかった!わたしの贔屓が同期なのがバレてたのかな(そんなわけがない)
久美さんは、あきらくん(瀬戸かずや)と組んでいたり、ソロがあったり、誇り高きエトワールだったりで、もうこれ以上ない輝きで、最後の娘役姿を見ることができて本当に本当に幸せでした。宝塚歌劇で一番好きなところが、男役と娘役が組んだ時の世界観なんです!愛と信頼と敬愛の結晶が、あの輝きなんですよ。「やっぱり好きー!!辞めないでーー!!」って暴れたかった。

【美しく誇り高き花組


次期の花組にも、期待しかありません!でも『はいからさん〜』は観ないかな〜(笑)だって、新作じゃないんだもん!!