すーぱーからしちゃんねる

からしがみたものをまとめたものです。

歌舞伎座『鶴亀』『寿曽我対面』『息子』『京鹿子娘道成寺』

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【初観劇】
さて、今年初観劇となりました。本当は翌週に予定していた『新春浅草歌舞伎』が今年の初観劇となる予定でしたが、我慢できなくてお切符取っちゃった。
この日のお目当ては『寿曽我対面』でした。今まで何度か見たことがあって、時代物のなかでは一番好きな演目です。様式美がかっちりしていて、祝祭感があって好き。花形俳優でしか見たことがなかったので、ベテラン俳優陣の『対面』がどんな感じなのか、楽しみにしていました。


【鶴亀】
女帝/福助
鶴/松緑
従者/左近
従者/染五郎
亀/幸四郎

おめでたい雰囲気でよかったです。福助さんの視線がやさしげなのが印象的でした。SNSでも、みんなの活動を積極的に発信していて、本当にやさしい人なんだなと思っています。わんこのポストもかわいい(笑)あと、見る度に体幹が丈夫になっているお姿、腕の可動域の広さに、日々の真面目なリハビリへの取り組みが見られて、頭が下がります。
染五郎くんと左近くんは発光していた。わかさスパークリング。とてもおめでたい。左近くんはお母さんがジェンヌなんだね。ビューティビューティでした。
お父さんズも美しく、素敵でした。


【寿曽我対面】
祐経/梅玉
十郎/扇雀
五郎/芝翫
朝比奈/彌十郎

ベテラン陣の『対面』は絶品すぎる!台詞の美しさ深みが、今まで見てきたものと全然違う!
梅玉さまのあの、落ち着き払ったロイヤルみ。扇雀さんの十郎も、横顔が瑞々しくてピカピカのロイヤル。芝翫さんの台詞まわしには耳が大喜び(芝翫さんの声が好き)
彌十郎さんの朝比奈もとても良かった。わたしの知らない朝比奈だった。大きな朝比奈があってもいいんだな。


【息子】
火の番の老爺/白鸚
捕束/染五郎
金次郎/幸四郎

思いがけずめちゃくちゃ良かった。作品紹介を読んだとき「なんか地味そうだな」と思って期待してなかったんだけど、そりゃたしかに役者は3人しか出てこないし、セットは変わらないし、暗いし地味なんだけど、ものすごく濃密で緩急があって情感たっぷりの科白劇で、わたしは最後の台詞にぶわっと泣いてしまいました。
特に印象的だったのが、白鸚さんの芝居のサイズ感。どう考えても500人キャパのハコでやるのが映えそうな演目なのに、歌舞伎座の大劇場サイズ向けのお芝居をしていても全然違和感がないところ。白鸚さんのすべてに集中してしまう、圧倒的な求心力を感じたよ。
この人間ドラマを、親・子・孫の肉親関係である役者で表現できるっていうのが本当に凄い。博多座の乱歩歌舞伎が俄然楽しみになってきました。


京鹿子娘道成寺
白拍子花子/壱太郎

いろんなかたちの『道成寺』があるので、そのどれかを見たことはありますが、この形式での『道成寺』は初めて見ると思います。
壱太郎さんの芸風って、宝塚の娘役さんのような芸風だと思っているのはわたしだけでしょうか。今回も特にそう思ったのが、まばたきと視線の落とし方です。娘役さんっぽい。それに、つけまつげを付けていないのに、どうしてあんなに雄弁なのでしょう。遺伝子がそうさせるのでしょうか。
わたしにはとても落ち着いて見えて、いろんな小道具も(ルピシアのカンカンも出た!)丁寧に扱っていて、綺麗で華やかで可憐で時に不気味で、楽しかったです。
音楽もお衣装も華やかでよかったな。隣に座っていた外国人のお姉さんが、三味線のユニゾンにあわせて、縦ノリしていて面白かったです(笑)
けんけんのも見たいな。一幕見で行けるかな。


こんなかんじで、歌舞伎の感想もサボらずに書く、のが今年の目標です。2024年もよろしくお願い致します。