すーぱーからしちゃんねる

からしがみたものをまとめたものです。

【初日遠征日記】 宙組大劇場公演『白鷺の城』『異人たちのルネサンス』

【初日無茶苦茶遠征日記】

実に困ったことに、先日突然上司から呼び出されて、昇進の打診をされてしまいました。この職に就いてから8年、今の現場で3年働いているのですが、ずっとのらりくらりと逃げてきたポジションへの打診でした。わたしがあまりに複雑な表情をしていたようで、上司には「そういう野心が一切ないタイプだとは思うんだけどね」とまで言わせてしまいました。同僚には『ダブルワーク』と言われるくらいに真面目にヲタ活しているので、そんなに頑張って仕事したくないんですよ。みんなのために働くなんて、真っ平御免なんですよ(性悪)そんで、本当に嫌すぎて、その日は帰り道に泣きました(笑)役職に就いたら、今まで通りに入り出待ちも出来なくなるし、無茶苦茶な遠征だって出来ない。そう思ったら悲しくて。
そんなこんなで、かなり無茶苦茶なスケジュールで日帰り初日遠征をしてきました!!ちなみに、大劇場公演の初日を観るのは初めてです。今やらなかったら、次はもう出来ないかもしれない!という気持ちが背中を押してくれました。準夜勤を終えて東京駅までダッシュして、夜行バスに飛び乗って、ヘトヘトなままムラに向かって宝塚温泉に入って、お友達と再会して、赤い座席に座る!!なんて鮮やかな1日だったろう。初日を終えた贔屓にギリギリまで粘っても会えなかったのは凄く切なかったけれど、この無茶苦茶が後に良い思い出となるはず。
しかし、3連休前の金曜日の終電は危険すぎるのでもうやりたくない。危うくお家まで帰れなくなるところだった。終電まで遊ぶのが久しぶり過ぎて忘れてたよ。
宝塚温泉(ナチュールスパ)はとても快適でした。施設の人より地元のおばちゃん達の方が親切だった。
久しぶりにパスタで豚高菜ピラフ(あれ、お米1合分くらいあるよね)に勝利した。美味しいよね。腹持ちサイコーなメニュー。

【期待】

宙組結成20年にして初めての本格的和物ショー!!と垂れ込めば、わたしみたいな俄ものだって期待に胸を膨らませ、お衣装は!?お着物は!?かつらは!?モチーフは!?ていうか日舞大丈夫なの!?しゃべ化粧ってお肌がかなり荒れるらしいけど大丈夫なの!?あんなに腰が高くて踊れるの!?と、一通りの期待とモンペ的心配がごちゃごちゃで、ぶっちゃけお芝居に対する期待はゼロに等しかった。フィナーレが素敵だといいな〜、くらい(ひどい)
普段から着物を着るので(二十歳過ぎた頃から着てるから、そろそろ10年なのか。それにしてはお粗末な着付けである)和の世界に憧れがあり、初めて観た宝塚歌劇の作品も和物ショーだった。学生時代は日本哲学を専攻していた(って書くと格好良い感じがするけど古文書はさっぱり読めない。どっちかというとドイツ語を頑張ってた)ので、九鬼周造やら和辻哲郎やらを研究している人たちに付き合って、歌舞伎や文楽の映像を観てたよ。柳田国男やら小泉八雲とか、民俗学的なやつも好きだった。話がそれた。
和物ショーにアレルギーはなくて、むしろ大好きで、大野先生の演出となれば本当に本当に楽しみでした。

【白鷺の城】

ほとんど天井席のほぼセンターあたりで見ました。
思っていた”日本物ショー”ではなかった。日本物というジャンルなのは確かなんだけれど、かなり現代的だし、色彩や舞踊や演出は、あまり保守的とは言えないので、本当のところはわたしが見たかった日本物レビューではなかったかな。演出に関しては「チョンパっていうものは〜、そうじゃなくってだなぁ〜〜」というモヤりが冒頭から襲ってくる。わたしが想像していたのは、もっとディープで、ドヤ感満載なやつ。しかしながら、新しいものを見た!という感動はありました。
新鮮な感動のうち、もっともイイね!!と思ったのが、春夏秋冬の季節の移り変わりに敏感な、日本人の心の琴線に頼りきりでなかったところ!!これはすごい。和の様式美には『春夏秋冬→春』っていう感動のヤマがあるとわたしは思っていて、確かに感動するし素晴らしいんだけど、ぶっちゃけ「またかよ」と思わされる時もある。それが和物ショーアレルギーの一因では?と分析しているので、この華麗なる様式美からの脱却に大野先生さすが!って思った。
ストーリー的にも『まどかちゃんが何千年も生きている幼顔の魔女とか妖怪』で、『そんな妖魔まどかを追うなり翻弄されるなりする真風』みたいな、まかまどが見たかったので、ドンピシャり過ぎて俺得だった。退屈なところはない。むしろ、ずっと刺激的。好きか嫌いかを問われれば、好きです。
視覚的なところは、見切れが多くて、楽しくなかったな。これはお席が解決してくれるはず。空間も多かった。大道具さんはよく見えた(笑)1階席センターで見たい…
兎にも角にも、星風まどかが美しいのである。発光してるのかと思うくらいに怪しく美しく、そして強いので、それだけでも見る価値がある。もちろん、ゆりかちゃんも素敵だし格好良かったんだけど、初日のまどかちゃんの輝きと安定感は素晴らしかった。部分休演が発表されていたからなのかもしれない。怪我、好くなりますように。本領発揮のまどかちゃんを待ってるよ!!
まどかちゃんに目を奪われすぎて、ゆりかちゃんの美しさを感じる余裕が無かったのが残念。

そんでそんで、澄輝さやとさん。ご贔屓!!
絶対日本物が似合うのに、宙組だから和物芝居、ましてや和物ショーなんて見られないんだろうなと諦めていたのですが。
黄緑色の束帯(狩衣だったかもしれない)、薄浅葱の武将に太刀!烏帽子!、狐の面に青天!!
ひぇ-、これは夢ですかいってくらいに、見たかった贔屓の姿が眼前にあって、オペラグラスを握りつぶす勢いで力んでしまった!!!!
そんなお姿を肉眼で直視しようもんなら、召されるかもしれない。その日が命日になりそう。せめて、オーシャンズ11まで生き延びたいところ。

全体的にまだまだ踊りが硬いし、所作や小道具に振り回されてる感じはありますが、これが極まれば無敵なのでは。何百年も時を超えてイケメン。烏帽子もぶっ飛ばなくなるでしょう。
次の観劇が待ち遠しいです。はーやーくーあーいーたーいーーーー!!

【異人たちのルネサンス

通える。通うのに辛くはない。
フィナーレが最高だった。ロケットもお衣装が可愛かったし、群舞もいい。DDは代役なのでノーコメント。
10分に1回くらいは萌えるところがあるんだけれど、それでも断片的すぎて、全体的には面白くないです。カンバス越しに会話するゆりかちゃんとか、悪者オーラ全開のキキちゃんとか、闇属性はんぱない愛ちゃんとか、微妙に萌えるところがあるんだけど。何が『異人』でどこが『ルネサンス』なのかわかんなかった。主題がわからなかった。観ている時に「これからの1ヶ月間の舞台稽古でなんとかなるんだろうか」という思いが過ぎって、ちょっと悲しかった。
ネガティブな感想を書くには、もっと理路騒然とした意見を並べるべきではありますが、初日のインパクトをそのまま語るとなると、こうなっちゃいます。
通うのに辛くないと判断したのは、フィナーレが凄く良かったからかなあ。フィナーレを楽しみにしながらお芝居を見るのはちょっとしんどいので、次はわたしの感性が追いつけますように。
贔屓は安定の『主人公のお友達ポジ』を死守しており、物足りないなーと思うところもありましたが(工房仲間のメンツを見て、今回は誰が死ぬのかなと思ってしまった神々脳)そういう役所は嫌いじゃないし、そもそも今作に対する期待値は低めだったので。いろいろ妄想する余地もありそうだし、その辺は楽しみにしているよ!

【ツッコミどころが満載で】

他にも突っ込みたいところは満載なんですけれど(そのうち9割はお芝居)これからご覧になる方がガッカリするような事を書いちゃいけないよなと思うし、贔屓が出ている作品なのでね、あんまり素直なことは言えないです。ちょっとは遠慮しないとね、突然叱られたりしたら、怖いもんね。この記事は作品に関する感想や考察じゃなくて『無茶苦茶して初日観てきたぜイエーイ\(^o^)/』っていう事が書きたかっただけなので、怒っちゃイヤだよ!
万が一、このまま辞令が出て昇進したとしても、仕事に対する優先順位は変えたくないです。これからも健やかに無茶が出来ますように。