すーぱーからしちゃんねる

からしがみたものをまとめたものです。

宙組大劇場公演『シトラスの風-Sunrise-』

【眠る時代を呼び起こせ!】

東京スカイツリー、行きましたか?
首都圏に住んでいながら一度も行った事がなくて、こんな企画がなければ一生登らないと思ったので、ムラ遠征の前に、お友だちと一緒に行ってきました。
職場の人に「あんな恐ろしいところに行くんですか!?めっちゃ揺れますよ!!」と脅されて登ったスカイツリー。揺れちゃいなかったけど、五感が慣れるまでちょっと気持ち悪かった…(笑)普段観光地っぽいところには行かないので、とても楽しかったです。
お友だちとお互いの住まいや職場を見つけて盛り上がったり、トップスターの恥ずかしいボタン()を押して大爆笑したり、ガラスの床にビビりまくったり、ラウンドシアターを観光客のみなさまとヒューヒュー言いながら観たり。
施設内のBGMも宝塚の曲がずっと流れてて楽しかったです。『セ・マニフィーク』とか、『愛あればこそ』とか。
シトラスの風』が流れ出した瞬間
シトラスの風もう飽きたよ!眠る時代を呼びおこさなくていいよ!」
と、うっかり毒付いたら
「あなたまだ観てないじゃないwww」
と鮮やかに突っ込まれてしまいました(てへぺろ

【ロマンチックレビュー】

シトラスの風は、全国ツアー版のⅢを履修済みです。ロマンチックレビューは大好きなんだけど、実はシトラス以外のものは生で見たことがありません。『ル・ポワゾンー愛の媚薬ー』が特に好きで、初演の実況盤を何度も何度も繰り返し聴いて、今はもう観ることのできないQUEENの楽曲を使った贅沢なレビューに想いを馳せていました。
それにしたって、宙組20周年だからって、再演し過ぎじゃないのかね(素直)舐め尽くされたキャンディと化した作品になりやしないかね。と、おっかな楽しみにmy初日を迎えました。

宝塚大劇場

やっぱり大劇場はすごい!照明にしたって、音響にしたって、装置にしたって、なにもかもがゴージャス!!そしてスペシャル!全国ツアーで見たときは、地方都市のホールだったので、もちろん演奏は録音だったし、照明も宝塚歌劇に特化されたものではありません。 やっぱりね、迫ってくるものの厚みがぜんぜん違う!プロローグの色鮮やかさ、夢アモールのマーチを生で聞いたときの感動、明日へのエナジーの迫力。やっぱり専用劇場って凄いんだなあ…と圧倒されました。

【新生宙組

ショッキングピンクのお衣装を纏ったゆりかちゃん(真風涼帆)の眩しさと、8代目宙組トップスターの矜持を感じさせる安定感。誇らしげに名ナンバーを歌い上げる姿が頼もしかったです。なんといっても、銀橋を優雅に歩くときの流し目が、いいよね。2階に視線を流す時のスマートさも、いいよね。ギラギラしてるゆりかちゃんもいいけど、優雅なゆりかちゃんも、いいよね。彼女の持ち味や、客席全員抱いてやるよ的なセクシーさは、この作品では発揮されることはなかったけれど、これはこれで新しい彼女の魅力を教えてもらえたので楽しかったな。大羽根捌きも鮮やかで、ナイアガラを宙高く舞い上げる姿も、最近のトップスターにはない力強さ・ダイナミックさを感じて素敵でした。
まどかちゃん(星風まどか)、初の宙組生え抜きトップ娘役就任おめでとうございます!!まどかちゃんがバリバリ踊っている姿を見るのが大好きなので、明日へのエナジーに参加してくれてありがとう!って思うよ〜。ノリノリになってくると、ちょっとアゴが上がってくるのが、かわいいんだよね。歌唱力が注目されがちだけど、わたしはいつも、まどかちゃんがノリノリで踊っている姿を見てhappyになってます。ステート・フェアのるりるりした感じも、夢夢しくって楽しかったです。ノスタルジアでは、眉間にシワを寄せた表情が官能的で素敵でした。
キキちゃん(芹香斗亜)めっちゃ歌上手くなったよね!?PARADISOのチャイナがどえらいセクシーでしたこと。夢女子発動しかけた。贔屓が歌ってたら死んでる。あの歌はもともと大好きなんだけど、男の意味不明で面倒臭い所を男役が格好良く歌うからいいんだよねえええええ。そしてあのイントロ!!銀橋が狩り場になる瞬間ですよね。そういう場面の少ないショーだから、キキちゃんの元花男っぷりが発揮されてて楽しい。ノスタルジアでもいい嫉妬顔してそうで、いつも見ようと思ってるんだけどまだ見られてない。贔屓をロックオンしてるので。いつか見よう。
まかまどきき、良きトリデンテですよね!これからも
いろんな世界を見せてください!期待しかない!


シトラスの愚痴】
ショー・レビューが大好きで宝塚にハマったクチなので、どんな出来でも、例え贔屓がクローズアップされていなくても、それなりに楽しめる才能がある方だと思っています。
それにしたって、構成がトンチキ過ぎないか!?愛せるトンチキと愛せないトンチキがあるよ( ; ; )ロケットや明日エナで盛り上がった観客のテンションを、ことごとくリセットしてくる展開には正直びっくり。そして、ただ優雅なだけで抑揚の欠ける中詰は、あれについては良しとは言えないよ…。シトラスには、あのオラオラてんとう虫があって甘辛ミックスの楽しいショーとして好きだったのに。しかも、なぜか銀橋が暗いし。なんであんなに暗いの?
♪sunrise〜と歌われても「日の出じゃなくて日食じゃん!!」と全客席が突っ込みたくなるようなセット。ボケなの?ボケてるの?2550人のツッコミ待ちなの?デュエットダンスがワルツなのはいいとして、そのお衣装と優美なワルツはミスマッチだ。しかも、トップコンビが銀橋に出てきて、客席の気持ちがワッと前に出てきたところで、テンポダウンする意味がわからん。名物の大階段に向けて、客席の期待と集中を盛り上げていかなくちゃいけないところで、なんでまったりしちゃうんだ…。モタつくじゃん…。大階段も、衣装は黒燕尾の方が引き締まって良かったんじゃないかと思う。振り付けは素敵だなと思ったんだけれど、なんなのあのボレロの編曲のダサさは。許せないダサさ。ビブラスラップの無駄打ちは本当に許せない。水戸黄門かよ。しかも、あのスチームパンクみたいな金属音は何を表したいの…。宙担の腹筋を8つに割りたいの?最後に銀橋で光を浴びるのが、コンビでない事も寂しかったです。
その罪滅ぼしに、まどかちゃんにエトワールをあてたのかもしれないけれど、ソレじゃない感がすごい。やっぱりトップ娘役はトップスターの前に降りてきてほしかった。大きな羽根を背負って、てててててっと定位置に走る後ろ姿がかわいいのに。階段降りに関しては、聞いてはいたけれど目の当たりにするとそれなりにショックだった。そして、頑なにテンポアップしないパレード。ショーで使った楽曲の歌い繋ぎでもなく、1曲をスローなテンポで歌うから、間延び感がハンパない。宝塚の客席は手拍子が下手だから、あのテンポでのリズムキープはツライよ…。
岡田敬二先生はこの作品を『最高傑作である』と謳っているみたいですが、そんな事言っちゃうなら、どうぞ引退してください。と思った。先生、生徒の個性を見出そうとしていますか?街に出ていますか?若者が何に瞳を輝かせ、人生の大先輩たちが何に心を躍らせているか、知ろうとしていますか? レビューは世界の今を知らないひとには創れないのでは?
憧れの作品を生み出した巨匠を劇場でお見かけしましたが、邪な念を送らずには要られませんでした( ; ; )


【まじ卍】
東京の劇場は大劇場と比べると狭いので、わたしが感じた間延び感は解消されるかもしれません。はじまってしまえば、それなりに楽しめる自信があります!
わたしの愚痴に付き合ってくださってありがとうございました。きっと、『楽しい気分で見終えたのに、批判的な話題ばっかりで気分を害した!あんたばっかりスッキリしやがって!』という方もいらっしゃることでしょう。ごめんね。毒にも薬にもならないようなヤツになるくらいなら死んだほうがマシだと思っていますし、そして、わたしはからしちゃんなので、甘い事ばっかりは言いません。それでも、今年は見たものをまとめていこうと決めたので、ノリが合う方は、これからもよろしくね。