すーぱーからしちゃんねる

からしがみたものをまとめたものです。

シアークリエ『オン・ユア・フィート!』


2018年12月19日観劇

【期待】

まぁ様(朝夏まなと)を観に行くのは、退団公演での千秋楽(正確には見てないけどね!すごく近くから念を送っていただけだけれどもね!)以来なので、約1年ぶりでした。
マイフェアレディは観に行かなかったのですが、LRMの出演者の方々があまりに素敵だったので、絶対に観に行く!と心に決めていました。
グロリア・エステファンのことは全く知らなくて、『もしかしたら楽曲も知らないかもだけど、まあなんとかなるでしょう』と、いうことで、贔屓がお向かいの劇場で公演中なのにも関わらず、初クリエしてきました。椅子がふかふかだった。

【全体像】

楽しかった。観に行けてよかった。ラテンナンバーは疎いからなぁ〜、と思ってたけど、知ってる曲いぱいあった(^^)ライブ感ある場面も、人間ドラマも、どちらも上質で、入り込める。視覚的にもオシャレでした。
お話が進む場面と、ショーアップされたヒットナンバーの場面が入れ替わりながら展開されて行くスタイルの作品でした。その目まぐるしさといったら、宝塚のショー並みでした。お話が結構シリアスで、実話だからこその、リアルな苦悩や絶望が盛り込まれているので、テンションが追いつかない…かも…と思いながらノッていたところも否めません。でも、お話の部分のお芝居がとっても繊細で、白々しさが一切なかったので、辛辣さを感じずにはいられない場面にも入り込むことが出来ました。
ネタバレになってしまうのですが、グロリアのお父さん、ホセ(栗原英雄)の歌は、凄く心に刺さった。グロリアのおばあちゃん、コンスエロ(久野綾希子)との別れをダンスと歌のシーンで表現しているところも、ありがちなんだけれども、その王道さを白けさせないあったかい存在感が素敵だなと思いました。
グロリアが事故に遭い、自分の境遇を嘆く場面は、あまりにその嘆きがリアルだったので、ちょっとびっくりした。特に、彼女の『パパが死ななかったらどうしよう』という本音がものすごくリアルだった。こんなリアルな介護者の苦悩を舞台に上げるだなんて…とザラリとしてしまいそうだったけど、まぁ様のお芝居は素晴らしかった。本当に介護者だったかのように吐露するから、ものすごく突き刺さった。わたしは当事者としてそのような苦悩を経験した事はないけれど、家族をケアする立場にいる人たちにはどんな風に響いたのだろうと想像してみたりもした。願わくば、この台詞が、苦難の最中に居る人の救いになりますように。
わたしがハマりにハマっている映画『ボヘミアン・ラプソディ』のように感じる部分もあり、レディ・ガガの映画(観たいんだけどまだ観に行けてない)もミュージシャンのお話みたいだし、わたしの周囲でそういう作品が流行っているなあとも思いました。やっぱり歌って、音楽って、人間って、人生って、いいよね。

【踊る阿呆】

まぁ様にペンライトを振る事が至上の歓びであることを、A motionで経験していたわたしは、ペンライトを買おう是非とも買おうと思っていたのに、売り切れていた。残念。会場にはルミカライトも売ってたけど、あれをポキポキしてるうちに興奮が覚めちまうタイプなので、買いませんでした。
でもね、わたしはどちらかというと踊る阿呆なので、素手で踊りましたよ!波打つ床に乗りながら誰も見たことのないお前だけのダンス(これの元ネタわかる人いたらお友達になってくだしゃいw)しか踊れないんだけど、めっちゃ踊った。1幕ラストにも踊れる場面があるなんて知らなかったので、お膝の上に荷物や鞄を置いていたので立ち上がることが出来なかった残念。これからご覧になる方は、いつでも踊り出せる体制でご観劇くださいませ。
フィナーレもすっごく楽しくて、ラテンダンサーさん達のギラギラした笑顔とか視線とかを跳ね返しながら、自分もラテンなエネルギーを発しているのでは!?と錯覚してしまうくらい!!一路真輝さんに煽られる経験は貴重でした。めっちゃ格好よかった。

【キャスト】

女のまぁ様なんて、ドキドキしちゃう!と思ってたけど、まぁ様の女役は『風と共に去りぬ』で散々見ていたのであった。贔屓の最後の相手役さんだったわ。まぁ様のスカーレット・オハラは、女性としての感情表現が好きだった。今回、退団後に見たまぁ様のお芝居も、ああ、やっぱり好きだなあと思わせてくれた。あとねー、脚が長い。知ってたけど、脚が長い。普通のワンピースを着ると、その脚の長さを実感する。まぁ様は脚が長い。子役まで手足が長い。
周りのキャスト陣がハイパー歌うまシンガー達なので、本当に本当に失礼だけど、観る前には「まぁ様のお歌が浮いちゃってたらどうしよう」とちょっぴり心配してた。歌唱力(この言葉はあまり好きじゃないけれどあえて使う)でいえば、もっとグロリアに適した役者やシンガーはいたと思うけれど、ハイテンションなヒットナンバーの場面とシリアスな場面を往来する展開、ラストのTHEスター復活!!の場面は、朝夏まなとさんでしか成立し得ないと思った。

エミリオの渡辺大輔さんは、とってもイイ短パン姿で。一歩間違えたらウザくなっちゃいそうなヤツなのに、ラテン系の太陽みたいな男性像として格好良く見えた。ああいう男性って、なかなか身近にいないよね!特に日本にはああいうタイプの男性って少ない気がして、なんかその非現実的な感じも素敵だったな。

実は一路真輝さんを観るのは初めてでした。映像やCDでは何度も何度も見聞きしているというのに!
平たく言えば、グロリアの母は毒親なんだろうけれど、わたしにはそんな母親には見えなかった。母親っていうか、ひとりの女として見ていた。

青野紗穂ちゃんは、期待していたよりも歌が少なかった。主役じゃないから仕方ないのかもしれないけれど、もっとお歌が聴きたかったなあ。まぁ様と手を繋いで歩いてる姿はめっちゃキュートだったし、マネージャーとしてのお姿もカッコよかった。

アンサンブルの岡本悠紀さんの姿を目で追うのも楽しくて、お歌もお芝居もあって凄い得した気分だった。加藤潤一さんは、あのあったかいお歌が凄く好きなんだけど、ソロがあって嬉しかった。殴られてたけど(笑)

【反省】

遅筆過ぎて、時間が経ってから感想をまとめたので、自分の言葉の鮮度も落ちてるなと感じました。観劇後の感動を残しておきたいから、その辺がちょっと反省点。


この公演は、まだ全国を回っているんですよね!是非観に行って欲しいです。
観て、感じて、踊って、歌って。心が震える瞬間をくれる作品です。