すーぱーからしちゃんねる

からしがみたものをまとめたものです。

宙組DC公演『不滅の棘』

【期待】

最初に申し上げなくてはならないのが、
わたくしが澄輝さやとさんの大ファンであるということ。ご贔屓であること。
澄輝さんが博多でエジプト人を演るとなれば博多へ、
澄輝さん鹿児島で瞳の中に宝石を見るとなれば鹿児島へ。
なので、基本的にあっきーが出ている公演はなにがなんでも全部観ます!

演目が発表され、キャストとして名前が挙げられた時に
『うわあ、まじかよキムシン(木村信司先生)かよ』
『ウエスト・サイド・ストーリーが良かったな。本人も出たがってたし!』
と思ってしまったのが本音です。
初演はスカステで観た記憶がうっすら残っており、
『オサさん(春野寿美礼さん)がやたら白くてところどころ赤くて青かった』
という超ぼんやりとした印象しかございませんでした(笑)
なかなか気が重く、キムシンに対してどうしても懐疑的であるわたしは(お察しくださいw)
『キムシン許さねー!』と叫びながら梅田の街を彷徨うことになるかもしれない。どうしよう
と、不穏な期待を抱いていたのでした。

【千秋楽】

面白かった!ちょいちょい力技的なところもあったし、感情の移ろいがわからないところもあったけど、
終演後『あぁ、がっつりお芝居観たなぁ!』て思った。あっという間に終わっちゃった!
これで梅田の街を彷徨いながら、キムシンに呪詛の言葉を吐いてしまうかも…という心配は不要になりました(笑)あーよかった。
そして、芝居が深まっている千秋楽をMy初日として観られたのはしあわせなことでした。
全員歌が上手い!さすがコーラスの宙組だけど、ソロもいいの!
1フレーズのソロで、悪目立ちしちゃうう人もいなくてすっごくいい!

アルベルト(澄輝さやと)は顔もいいし声も良い!
外見がとてもスマートなのに声が太くて低い!総じて良い!!(早々に語彙が死んだ
やっぱりね、澄輝さんの歌の表現力は素晴らしいと思うの。贔屓目抜きにしても。
それは音程が安定しているとか、ビブラートがどうとか、技術的に云々とかいう事ではなくて、
劇場の緊張感や色彩を自在に操るような歌唱だと思うの。
澄輝さんの低い音が絡む危険な五重奏。
あんなに凄みのあるメロディでありながら、とてもノーブル。
威圧感はないけれど説得力と確信がある歌唱で『おっ!』となった。
沢山の引き出しを持っているのに、なかなかそれを引き出してくれる役や作品に恵まれてないと思うので、アルベルトはちょっと新鮮だった。片想いの辛抱立ち役と思えばロドリーゴやコンスタンチンと似てるかもしれない。
でも、この白い世界独特のスパイシーな役だなぁと思った。エロール(愛月ひかる)もフリーダ(遥羽らら)も、若干ぶっ飛んでるけれど、アルベルトは肝が落ち着いているというか、『まともな人間』であるところが妙に不気味だった。
その中での追いかけられなかったソング(そんな題じゃないだろう)(命名のセンス…笑)がね、彼は真っ当な人間であるところ、有限である生命の輝きと、エロールの永遠である生命のせつなさおそろしさ苦しみ…との明暗がはっきりと印象付けられました。
愛ちゃんとの芝居のぶつかり合いもよかった!
作品の全体像とあっきーを観ることで精一杯だったので、青年館では愛ちゃんやららちゃん、他キャストのお芝居も堪能したいなあ。
しかしね、ほとんどゼロ距離で睨み合うあっきーと愛ちゃんを見てね
『愛ちゃん今だ!あっきーにくちづけをして、Eの一族に加えるんだ!』
と叫びたくなった(それはポー)(役名)(そういう話じゃない)くらいの自分の集中力の無さにはウケたw 同じ時期に似たようなお話が上演されているのもまた、楽しいよね。翌日は『ポーの一族』を観劇しました。

【全体像】

舞台の色彩が『まっしろ!』で、装置や照明も怪しく不気味、時代考証に合っていない衣装や音楽にはシビれました。かっこいい!

歌やダンスをショーアップさせたいのか、芝居をみせたいのかわからなくなる事もあったけれど、
あの舞台芸術、センスはとても良かった。時代に合ってない衣装も音楽も、なんとなく不思議で不協和音的で、世界に入り込める一因だったなって。
特に音楽的な時代考証ははちゃめちゃで、その辺りが実験的で新鮮だったなぁ。
音楽が1970〜80年代ヒッツのフューチャーだから、80年代の話かと思ったもん!幕間にプログラムを確認する。1930年が舞台なんだね。めっちゃボウイとQUEENだった。
なので、年月の流れはしっかりと感じられたけれど、それが具体的な数字としては捉えられなかった気がする。
そもそも100年続いている裁判という時点でファンタジーだし、それでいいんだし、それがおしゃれ。
個人的には、愛ちゃんのたまごからの登場は『この前東京ドームで見たやつーーー!!!!』って思った。
THE YELLOW MONKEYのSUPER BIG EGG2017の興奮が蘇ったのはわたしだけでしょうか。

【青年館たのしみだな〜】

新しくなった日本青年館に行くのは初めてだし、通い慣れたあのあたりの景色がどれだけ変わってしまったのかを感じるのも楽しみです。
愛ちゃんの魂を削るようなお芝居(あれだけの長台詞をあの熱量で演じるんだもの!)がさらに研ぎ澄まされるのでは!?と期待しています。
ばんばんばんばば ばばばば〜ん