すーぱーからしちゃんねる

からしがみたものをまとめたものです。

宙組東京宝塚劇場『Delicieux!-甘美なる巴里-』

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【期待】

野口先生のショーは、雪組の『SUPER VOYAGER』しか見たことがなくて、現代日本の芸能をぎゅっと凝縮した作風なんだなという印象がありました。宝塚歌劇には宝塚歌劇にしかできない唯一無二のものを求めているので「ジャ○ーズっぽい」とか「ディ○ニーっぽい」ものを、あまり褒められないタイプなんです。だから、どちらかというと、そんなに期待していなかった。
カロンシャンシャンペンライトのデザインが発表になったときは、あまりにも可愛くない上に、なんとなく卑猥に感じられたので、お友達とLINE大喜利が始まってしまったのは良い思い出です(笑)実物を動画で見てもその印象が拭えなくて、デコに命を賭けざるを得なかったのも楽しかったです。『デリシュー!』は既にそこから始まっていたのだ!
そんなに期待していなかった・・・と言う割には、めちゃくちゃ楽しかったんですよ!公演が終わってしばらく経ちましたが、実況盤を聞きながら楽しいショーの思い出を、振り返ってみたいと思います。


第1章 Delicieux!-甘美なる巴里-(Prologue)
始まる前から視界いっぱいにカワイイが広がっているから、わくわく感が半端なかったよね。しかも、ミラーボールに反射する光が、マカシャンペンラと同じ色のペンライトですっごくかわいいの。
キキちゃん(芹香斗亜)のまわりにいる男役さん達のメンツがわたし好みで、最初っから目が足りなかった。
かぼちゃパンツがハイパーラブリーな潤花ちゃん、宙組のトップ娘役がぐうぐうにお腹を空かせている時点でこのショーは優勝間違いなしなんだな。お腹が空いて「はあ」とため息をついたり、引き抜きで衣装が変わった時の「わあ!」っていう感嘆符の表現力が豊かで、心奪われました。
オケピから出てくる組長(寿つかさ)、副組長(松風輝)、せとぅー(瀬戸花まり)と、さよちゃん(小春乃さよ)のコスチュームがすっごくかわいくてわくわく!さよちゃんのお衣装が特にかわいいのでアレが着たい(笑)
下手のわちゃわちゃを見ていると毎回ゴンドラで登場するゆりかちゃん(真風涼帆)を見逃してしまって、気が付くと本舞台にいた。コック服なのにキラキラしすぎぃ~~~!!
潤花ちゃんのお衣装が真っ白なドレスに早変わりして鐘の音が鳴った瞬間、わたしの心の中の女児(インナーチャイルド)が大喜びして毎回泣いてた。
手拍子大好き人間なので、『デリシュー!』はいっぱい手拍子できて楽しかったな。プロローグから大階段の景気の良さはもちろん、色彩がやさしくてマカロンカラーで、多幸感が半端なくて、思い出しただけで泣きそう。主題歌も覚えやすくて良いし、なぜかお菓子の名前を連呼しているのも良い。シャンソンメドレーなのもいいですね。歌詞にそれぞれの名前が散りばめられていて、耳も楽しい。あーちゃん(留依薪世)とさらちゃん(花宮沙羅)のデュエットが、スパイスのように効いていて、印象的でした。いつもさらちゃんばっかり見ていたから、まかかののデュエットを見た記憶がない・・・。
マカシャンの出番が思ったより少なくて驚いた。たった数十秒のために己のペンライトをデコデコにデコり、完璧な振り付けでタカラジェンヌとひとつの空間を創り上げたあの時間が愛おしいよ。タケノコ席に座ったとき、目の前にいたわんた君(希峰かなた)がこの上なくノリノリで、花道から落ちるんじゃないかとヒヤヒヤするくらいにノリノリだったのを忘れないよ。ペンライトの色もこだわりを感じるピンク色で、劇場がとても綺麗だった。散々文句言ってたけど、楽しかったよ!
まかかの銀橋デュエットは、ゆりかちゃんのマイクが入らなくなってしまったトラブル回が印象に残っています。ゆりかちゃんが潤花ちゃんのマイクに顔を近づけてその場を凌ごうとしていたのだけど、バックハグのタイミングでめちゃくちゃお顔を近づけていたのが、キュンを通り越してギュンでした!
そこから大カンカンへ向かうんだけど、クラシック曲の編曲が、完全にTDLの昼のパレードで楽しかった。
えびちゃん(綾瀬あきな)センターの場面の、階段のライトがすごく好きでした。それに負けないくらい華があるえびちゃんのスカート捌きも本当に素敵だった!きゃのんちゃん(花音舞)のコミカルな場面では、きゃのんちゃんのピカピカの笑顔が見られて、千秋楽直前には拍手に「サンキュー!」と応えていて、泣いちゃった。きゃのんちゃんの笑顔が大好きだったなあ。
プロローグからずっと手拍子しっぱなしなのがとってもとっても楽しくって、完走したときは達成感がありました!出てないのに!(笑)


第2章 王妃のお茶会
キキちゃんのアントワネット様は、デコルテが本当に綺麗なのと、ソプラノが綺麗な上に面白いので、こんなにゴージャスな役者って他にいないんじゃないかと思うよ。男役さんって、ファルセットが伸びない人が多いイメージなんだけど、キキちゃんは本当に綺麗だった。
カロン伯爵がお茶会に招待されるのはわかるけど(いや、わかんないけど)、そのご友人って来ていいの?紹介制なの?何しに来たの?どうやって誘われたの?めっちゃ気になる。
ガトーフレーズ三兄弟の、振り切っちゃってる感じが愛おしかった。そろそろこういうポジションがしんどいナニーロ(風色日向)と、気を抜いたらバキバキにキザってしまいそうなあのんくん(亜音有星)、「でーとをしよお☆」と毎回ハイテンションで攻める大路りせくん。王妃様、わたしは真ん中のナニーロでお願いします。
ト長調の「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」をマイナーに変換すると、めちゃくちゃ辛気くさくなることを知った。しかも、もえこってぃ(瑠風輝・鷹翔千空)がめちゃくちゃ歌がうまいから尚更笑えるし、テンションの落差にも笑えるし、悲鳴をあげてる貴婦人達もドン引きしてるみたいで笑える。
そらちゃん(和希そら)がこの手の場面のオチを担当するなんて!お兄さんになったなあと実感しました(ここでw)キキちゃんとのアドリブ合戦も面白かったです。キキちゃんが最強過ぎて何を仕込んでも勝てない感じが愛おしい。雪組に行っても応援してるからね~~!
キキちゃんの脚はもちろん綺麗だったんだけど、それ以上にデコルテがものすごく綺麗で、毎回見入ってしまった。
みんなが銀橋に並んだ景色がとてもカラフルで、多幸感凄くって、一度ものすごい号泣した。華やかすぎて泣くって、タカラヅカ以外で経験したことがない。


第3章 フォレ・ノワール三重奏
ムラで公演中に、いろんな評判を耳にしていたのですが、確かにこの場面は好き嫌い・アリナシで意見が分かれるだろうなと思いました。わたしは嫌いじゃないです。でも、ゆりかちゃんの軍服のデザインはアウトです。ダメです。
ゆりかちゃんの開襟は事件だった。あれはすごい。
ずんちゃんのレザンは、勝手に女装子だと思って見てた。夜な夜な女装して出掛ける美青年だと思ってた。
生徒に仮面を付けてちゃ、誰が誰だかわかんないじゃない!と思っていましたが、公演が終わる頃になると、誰が誰だか識別できるようになってて、これだからオタクは・・・と思いました。
あきも(秋音光)、りっつ(若翔りつ)、さらちゃんを見てることが多かったです。あきもとさらちゃんの絡み最高だったのよ。
真ん中を易々と見逃すタイプのオタクなのですが、潤花ちゃんの健康的な強さが素晴らしいですね!両膝に両肘を乗っけて、「オラァ!」ってずんちゃん(桜木みなと)を挑発するところが大好きすぎて、毎回命がけで見てました。
真ん中を見逃して周りを見てみても、いろんなところでいろんなことが起きすぎていて、全体を把握できないまま終わってしまった。美少年を囲むさおちゃん(美月悠)とか、もっとちゃんと見たかった。ソックスガーターの美少年なんて、本当にこの世に存在するんですね・・・。
あーちゃんの謎の仮面歌手をひとりで歌わせずに、盲目の美少女ひまりちゃん(栞菜ひまり)と絡ませた世界観も最高すぎた。あーちゃんの歌声も素晴らしく、日本語版とフランス語版(フランス語は全く通っていないのでなんとも言えないけれど、あーちゃんのフランス語はめっっちゃ上手いっていうのがわかる)両方味わえたのが幸せでした。


第4章 フルーツ・タルト変奏曲
ここでも、そらちゃんが娘役を両手にして銀橋を渡っているのを見て目頭が熱くなる。お兄さんになったねえ・・・(感慨)
ベサメムーチョ」の男役群舞では、もえこちゃんを見ていた。もえこちゃん格好良い。
そして、舞台後方に控えるきゃのんちゃんとりっつのキッスを待ち構えていた!友だちから見所として聞いてはいたけれど、そこキスする必要ある!?(笑)なんの脈絡もなくキスするから「きゃのんちゃん殴って良いよ」って思ってた。キスした後に口元を拭う若翔パイセンがめちゃくちゃ格好良いのよ・・・。歌声も格好良い。しかも、ふたり一緒に捌けるとき、りっつがきゃのんちゃんの腰を抱いてんのよ。最高。こういうところばっかり見てるから、真ん中を見た記憶が薄くなるのよ。
ららじゅり(遥羽らら・天彩峰里)で銀橋渡るの最高だった~~!!娘役だけで組ませるのもっとやって欲しい。娘役だけだって空間埋められるんだからね。こういうのもっと見たい。
ずんちゃんの「愛の賛歌」の歌詞がすごく色っぽくて、艶っぽいずんちゃんの歌によく似合っていた。
アモーレアモーレ言ってるキキちゃんには、もう少し大きな羽根を背負わせて欲しかった。羽根をバサバサさせるキキちゃんが好き。
潤花ちゃんの健康的な脚線美!脚を見ているだけで元気になる。歌い終わりに花道で、ゆりかちゃん目掛けていっぱい投げキスしてるの可愛かったです。
中詰めに持物があるなら、マカシャン振らせてよ~~!!って思った(笑)ポンポンも綺麗だったし、手拍子も楽しかったけどね。


第5章 キャンディー・ケーン二重奏
ららちゃんの場面!娘役だけの場面!しかも娘役だけで銀橋渡っちゃう!お衣装も振り付けもカワイイ!これだけで『デリシュー!』大好き!!ってなりますね。季節外れのサンタ帽も、おニャン子ダンスも全部カワイイですね。大勝利です。
娘役だけじゃなくて、男役の格好良いところも見せてくれる場面で素晴らしかったです。娘役さんに微笑む男役さんが大好きなので、そういうペアのダンスの夢夢しさもタカラヅカならではで大好き。さらちゃんに向けられたさおちゃんの楽しそうな笑顔が忘れられない。
タップも格好良かった!りお君(星月梨旺)のソロに大きな拍手を送れたのが本当に嬉しかった。スターの輝きを思い出に刻める演出がやさしくて、あたたかくて。今作は退団する上級生スター達に、たっぷりと見せ場があって、そういう意味でも大好きなショーです。


第6章 パティスリー交響曲
タカラヅカのショーにありがちな「トップスターが死んで生き返って、大合唱するやつ」ではなくて、脱マンネリしてて良かった。この合唱場面で、ゆりかちゃんがパン屋さんのバイトの歌を歌うのかと思ったら違った。ゆりかちゃんはパティシエだった。


第7章 マカロン協奏曲
ずんそらー!大きくなれよー!と叫びたくなる。ふたりとも、もう立派なスターさんだけど、いつまでも楽しそうでわちゃわちゃしてる下級生っていうイメージが抜けない。
ロケットのお衣装かわいい過ぎた。初舞台観に行けば良かったよ~。東宝の、おねえさん達のロケットも好きなんですけどね。
そろそろロケットを卒業してしまう学年に差し掛かってきた、さらちゃんのセンターが見られてファンとしては嬉しい限りです。笑っちゃうくらいにオラオラしてる泉堂成くんが愛おしかったです。はやく黒燕尾入れると良いね。


第8章 Paris Canaille
「巴里野郎」っていう選曲が素晴らしい。アレンジが現代的なのに、耳に入ってくる日本語が岩谷時子訳の懐かしい感じのする、かつての若者言葉なのが面白い。
タカラヅカがあまりにも現代的過ぎると引いてしまうタイプなので(タイムリーなK-POPとか)新しさの中に懐古的な趣があるこの感じが心地よくて楽しかったです。
振り付けの中にも自由なところがあるのか、舞台上でも絡みがあるみたいで、毎回新しい発見があったのが楽しかったです。


第9章 Delicieux!-甘美なる巴里-(Finale)
娘役のお衣装~~!淡いピンク色にファーと、適度な脚見せと大きな帽子!なんて夢夢しいの。ここでも、わたしの心の中の女児が大よろこび。
男役群舞では、あきももえこを見ていました。上級生のあきもが、下級生のもえこを見上げて組んでいるという、大変に素晴らしい構図だったんです!他のペアを見ていてもドキドキしましたが、男役同士の体格差って、なんか、沼ですね。知っているようで知らなかった新しい扉。
キキちゃんの「トワ・エ・モア」とても良かった。伸びやかで。ここの潤花ちゃんのドレスがとても素敵だったなあ。もう少し、ふたりで踊っているところが見たかったけれど、それはこれからに期待、ということでしょうか。


第10章 Delicieux!-甘美なる巴里-(Grand Parade)
春乃さくらちゃんの娘役らしくて柔らかい歌声でエトワールが聴けて嬉しかったよ~~!宙組には歌姫がいっぱいいてイイね。これからも、いろんな娘役がエトワールに登用されるといいなあ。

【真ん中】

長く見ている組は、下級生にも詳しくなるので、なかなか真ん中まで見られなくなりますね。自分の記憶を辿りながらコレを書いていて、いかに自分が真ん中を見ていなかったかを思い知りました。配信やライビュで初めて見る景色ってあるよね。