【期待】
宙組新トップコンビ芹香斗亜と春乃さくらのプレお披露目公演です。期待しないわけがない！演目発表の時は正直「なんか世の中アーサー王ばっかりやってるな」「またワイルドホーンか」と思わないでもなかったですが、宝塚には魔法が掛かっているので、見に行けると決まった日から、楽しみで仕方ありませんでした。韓国版は見たことがありません。アーサー王伝説は、いろんな方面から見てきたので、まとまりのないバラバラの知識がありました。配役が発表されれば、役名とキャラクターはわかる程度。振り分けの時点で、歌の上手い生徒が複数人いたので、期待は高まりました。「宙組、本気だな」と思った。みんながびっくりしたましろっち（真白悠希）の大抜擢には、わたしもびっくり大喜びしました。新公では目立っていたけれど、大きな役の経験もなく、それでもモーガンを射止めてしまうのだから、彼の実力が見出されたってことですよね。劇団はたまに、こういう胸熱大抜擢をしてくるから目が離せない。２番手役のずんちゃん（桜木みなと）、プレお披露目にして初のキキちゃんの相手役をするさーちゃんも楽しみでした。
【全体像】
う、歌が多い！とにかく歌が多い！！しかも全員歌がうまい！！ワイルドホーン節がてんこ盛りで「この曲ネバセイで聴いた」と思うところもありましたし、「歌が多すぎて飽きてくるな」と思うところもありました。もうちょっと踊ったりお芝居したりしてほしかったな、輸入物とはいえ宝塚歌劇なので･･･。フィナーレがないのでそう思ったのかも。でも、この「新生宙組のショーは大劇場までおあずけよ！」感は嫌いじゃない。
10列目くらいのセンターで見たので、ブリリアのヤバさの被害は免れました。セットの見え方も音の聞こえ方も良かった。『DTAH』の時も思いましたが、階段の上り下りでキャラクターの感情を表す演出が良い。わたしのツボにはまるようです。セットに映し出されるプロジェクションマッピングも使い方が綺麗で、本当に魔法のようで印象的でした。
音の聞こえ方は良かったのですが、剣が擦れる音？金属音？が多めで、この音が苦手なわたしは、終始ゾワゾワしてしまって舞台に集中できませんでした。
ヒロインの在り方が新しくて、最新のミュージカル！って感じなのが良かったし、宝塚歌劇的に新鮮でした。『もののけ姫』エンドっていうか。しかしながら、男女同権を前に出してきているのに、疑問に思う演出があるのがちょっと惜しかった。エクターがアーサーに「王は妻をめとって完璧になる」的なことを言うところは引っかかりました。女を足りないパーツ扱いするなよって。あと、「ごはんが出来たよ！」と呼びに来るのがグィネヴィアだというところ。『戦士なのに結局飯炊き女させてるんじゃん』と思ったので。ここでみんなを呼びに来るのが男役だったら「おお」と思ったのにな。残念。最後にグィネヴィアが助太刀しにくるところも、人に埋もれちゃって格好良く見えなかったので、もっと迫力を持たせても良かったんじゃないかな、惜しいなと思いました。
【キャスト】
今回、文句ばっかり言ってない？？でも、とっても楽しかったんだよ～～。演出に文句や注文があっても、生徒はいつも素晴らしい。
アーサー/芹香斗亜
『エクスカリバー』のプログラムを眺めながら『キキちゃんの三白眼はFFの主人公向きだなあ』と思った。闇の背負い方がFINAL FANTASYなんだな。ということで、今回のアーサーもキキちゃんにぴったりのお役だったと思うんです！１幕の発光するほどピュアなキキちゃんと、２幕のわかりやすく闇墜ちしているキキちゃんどちらも楽しめる。２幕が始まった瞬間わかりやすく闇墜ちしているからちょっとわろた。
最後の演出で、キキちゃんが階段を上り始めたあたりから、だばだば泣いてしまった。これまでのキキちゃんの努力や道のりが現れている様な場面で、感動してしまった。改めて、トップ就任おめでとうございます！はやくトップ羽根背負ったところが見たい！！
グィネヴィア/春乃さくら
衣装がとても可愛かった。ロングヘアも綺麗に見えて、麗しの女戦士そのものだった。１幕のキキさくずんのナンバーが明るくてとってもよかった！新トップトリオのお披露目で、トップ娘役がセンターで楽しそうなのが良い。見ていてしあわせな気持ちになりました。そして、ショーの舞台の真ん中で輝くさーちゃんを早く見たいな！という気持ちになりました。
ランスロット/桜木みなと
横恋慕して苦悩するずんちゃんめっちゃ良かった～～。特にアーサーとグィネヴィアの結婚式での表情の変化が素晴らしくて素晴らしかった。あ～、ずんちゃんは上手いな～～。２番手になるということは、こういうことなんですよね。
助太刀しにくるずんちゃんも、格好良すぎて泣いちゃった。死に方がなんかアグレッシブで面白かったけど、あのずんちゃんは格好よかったのである。
ウルフスタン/悠真倫
まりんさんビジュアルが優勝～～！肉布団での太らせ方がたまんない。あの腹の出方が専科さんの技術なんだよ。サクソン兵はまりんさんを筆頭に、髪型もメイクも攻めていて、目が足りなかった。全員あゆファンのチアリーダーみたいなギャルズも、お腹出してて良かった。
マーリン/若翔りつ
ねえ、マーリンってこんなに色気があっていいの！？わたしのイメージだと、マーリンって魔法使いのおじいちゃんなんですけど、なにこのマーリン色気が大爆発してる！！
もうね、りっつとましろっちの関係が（役名で言え）癖すぎて、途中から叫びまくってた（心の中で）最後のデュエットのところなんて『ｱｱーーーーｯｯ!?なんでこっち向いて歌ってくれないんです！？今どんな表情で歌ってんのか知りたいんですけれど！？お願いします振り返って下さい！！』と狂っていたこれは狂う。ほんとにこの人達ちょっと前まで人間の肋骨の数云々言ってた人たちなの！？
モーガン/真白悠希
みんなが言っていると思うけど、ましろっちは今作のMVPだ。衝撃が大きすぎて絶句したままでいる。どこから褒めれば良いのかわからない。とにかく、情念が凄まじすぎて、サンシャインが爆発するんじゃないかと思うほどであった。なるほどこれはセンセーショナル。彼を知らなかった人、今回のモーガン役で知った人たくさんいるとおもうけれど、その全員が心奪われてしまったような拍手をこの耳で聞いた。この役で大きくなったましろっちを、男役で見られる日が来るのが楽しみ。
他に、気になった生徒を何人か。
真名瀬みら
まなちゃん冒頭の王様の役が輝いてた。オーサーが化けた時のお芝居も印象的だった。娘役さんと組んだときのムードが良い。円卓の騎士としては、見せ場があまりなくて残念だったかな。
花宮沙羅
黄色いドレス似合ってた～！台詞がなく、踊りだけで魅せる妃の役では、活き活きとして見えました。最後のコーラスでは、ソロがあって素敵だったな。「ここぞ！」というところで使ってもらえる娘役さんだなあと、いつも期待しています。
輝ゆう
サクソン兵に、めちゃくちゃ攻めた髪型とメイクで、ラグビー選手みたいな迫力のある人が居る！！誰だろう、おかゆちゃん、ではないよね？？と思っていたのですが、おかゆちゃんだった！！出てくる度に髪型が違うんだよすごいな。カテコで、ピカピカの笑顔のさらちゃんの隣で、ニコリとも笑わないおかゆちゃんの矜持が印象的でした。
有愛きい
前半は歌の場面が多くて印象的でした。すこし力任せ、というか力んでいるのかな？と思うところがあった。サクソンのあゆの信者みたいなギャルがパワフルで良かったです。
大路りせ
前半はサクソン兵で、思いっきり「ワル！」してて、可愛さが勝ってしまった。ごめん（笑）後半しれっと円卓の騎士になっててわろた。りーちゃんのお顔を覚えられた自分が嬉しい（笑）
【高まる期待】
大劇場お披露目が楽しみで仕方ないよ～～！！明日、『大逆転裁判』も観に行く予定ですが、新生宙組への期待度が高まりすぎてやばい。どこを見ても楽しい。やっぱり、宝塚歌劇はいいなあ。宙組はいいなあ。久しぶりにムラ遠征するつもりで動いています。
