すーぱーからしちゃんねる

からしがみたものをまとめたものです。

さよならなんて云えないよ

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3月7日が始まるのが怖い、と思いながら眠りに落ちて、今日が始まるのに怯えながら目を覚ました。
今日は休日だ。夜になったら星組を観に行く。だから、わたしは今、家にいる。
パンを焼きながらシャワーを浴びて、オーブンをつけたままドライヤーを使ったらブレーカーが飛んだ。
ムラに居る友人が、贔屓が笑顔で楽屋入りしたことを教えてくれた。
午前11時30分、そろそろ午前の郵便配達が来る頃だ。
空は明るいが、小雨が降っている。管理人さんに挨拶を返す。
ポストを開ける。何も入っていない。

 


友人からのLINEが届く。

 


正直な気持ちでは、白封筒を手にするまで知りたくなかったんだ。
でも、彼女の気持ちを想うと、黙っていられなかったのは仕方がないことだと想う。
何も聞きたくなくて、何も見たくなくて、テレビを消した。


正午、贔屓の笑顔が見たくなって、”A motion”を流している。
そうか、7月21日。そっか。その日にはもう、さようならなんですね。
あの日、博多で見た黒燕尾が、最後の黒燕尾だったんですね。
不思議と涙は出ない。
ただただ放心していることを、どうやってここに記録しようかと、困り果てている。
まだ白封筒は受け取っていない。信じられない実感がない。
洗濯物を干さないと。軽く頭痛がする。なんにもしたくない。
テレビの中のあっきーが『僕らが旅に出る理由』を歌っている。
当時は、いつか必ず来る今日のことを思って、胸が苦しかった。

 


”NW!-宙-”で夢の花束を抱えて、わたしを迎えに来てくれた日のこと
あの特徴的な字で、お手紙の返事が書いてあったお礼状を、手にした時のこと
初めての入り待ちで、話すことがなくて死ぬほど焦って動揺した朝のこと
”HOT EYES!!”で笑っちゃうほどウインクを飛ばしてくれた日のこと
はじめての博多ナイト
エリザベート”のルドルフ役が発表になった日のこと
誕生日を祝ってもらった日のこと
影コーラスで参加している場面を言い当てて、軽く引かれてしまった日のこと
澄輝ルドルフ、千秋楽の日のこと
全ツ”バレンシアの熱い花”でロドリーゴの瞳に宝石を見た日のこと
鹿児島で”HOT EYES!!”千秋楽を見た日のこと
マコちゃんにキュン死しかけて、幕間にずっとムヒムヒしていた日のこと
“A motion”会総見で、『僕らが旅に出る理由』の歌い終わりに「あっきー!!!!」とみんなで絶叫したこと
子鹿記念日のこと
涙が止まらなかった”神々の土地”の日々 わたしは週6日で日比谷にいた
「フリーダ」と歌う視線の先に座っていた”不滅の棘”日本青年館千秋楽
はじめての女役の配役発表に、目に涙を溜めて動揺していた姿に動揺してしまった日のこと
初見がまさかの8K収録日で、3列目で観た”ネフェルティティ”
WEST SIDE STORY”のリフ役が発表になった日のこと
台風に負けずに通った梅芸。格好良すぎて震えた日々
雪に負けずに飛んだ博多。心して観た最後の黒燕尾


そんなことを、ぼんやりと思い出しています。

 


13時。まだ、ポストは空っぽだなあ。

 


今すぐお友達に会って、ひとりひとりを抱きしめたい。
楽しい時間をありがとう。雨の日も風の日も、嵐の日も酷暑の日も、一緒に贔屓をひたすら待って、大好きと楽しい気持ちをエネルギーにして、それぞれいろんなことを乗り越えて頑張ってきた仲間たち。時には贔屓にまでも「いつも楽しそうですね!」と言われちゃうくらいに、いっぱい楽しい時間を過ごしてきた。最後までよろしくね、最後の日まで元気で、笑顔でいようね。楽しい思い出をいっぱい作ろうね!


作業をしながら、いろんな人の顔が思い浮かんでは、消えてゆく。


15時、ポストを見に行った。


あった。


おそらく、午前中からあったであろうその封筒は、白くて軽くて、とても重いのに軽かった。だから、気が付かなかった。
『澄輝さやと』の白い千社札
手にした瞬間に涙が溢れる。声が漏れるのを我慢する。周りに誰も居ないのを確認して、エレベーターに乗り込み、声を上げて泣いた。


公式発表と共に、友だちからのメールやLINEがiPhoneを賑やかにさせていた。


最初から、贔屓との時間が永遠ではないことはわかっていた。この封筒を手にして涙を流す日が来ることも、わかっていた。その日が近付いていることも、わかってたよ。
でもね、やっぱりね、泣くよ。
さみしさと、せつなさと、ありがとうの気持ちと、大好きの気持ちが溢れていて、言葉にならない。


そろそろ東宝に向かう支度をしなくちゃ。

 


雨の中、いつもの駅へと向かう道が、ものすごくもの悲しく感じられた。
眠たい身体を引きずって、有楽町線に乗って、A13の階段をのぼる朝に、最後の日が定まってしまう事が、さみしくてたまらない。

 


イヤホンの奥から聞こえるあっきーの声は、いつものわたしの大好きな声。電車には誰にも乗ってないから、泣いてもいいよね。

 

 


この青い星の上で、あなたに出会えて本当によかった。
あなたから、わたしは数え切れないほどの勇気をもらってきたんだよ。
同じ時間を4年間も過ごす事が出来て、その4年間のどこを思い出しても輝いていて、その時のかけらのすべてが、わたしの大切な宝物です。
本当はずっとわかってた。2度と戻れない美しい日にいると。でもね、今はさよならなんて云えないよ!!
その日には必ず笑顔で、遠くまで旅する恋人に、あふれる幸せを祈るって、約束するよ!!


間もなく有楽町に着く。
キャトルに行ってプログラムを買って、博多座の舞台写真を買うよ。
仕事上がりの友だちに会って…、そう、とにかく会う!

 


澄輝さやとさんのファンでよかった!!


僕は思う


この瞬間が続くと


いつまでも!