【期待】
ご縁あって、お声がけ頂いたので観に行くことにしました。歌舞伎には自主公演というものがあるということは知っていましたが、こういうのって、後援会に入っている人しか行けないのかと思ってた。
公演の発表の時から、橋之助くん、福之助くん、歌之助くんがSNSを駆使して一生懸命宣伝告知しているのを見て、胸を打たれました。『ごあいさつ』の文が、めちゃくちゃエモい･･･！3人の夢を心から応援したくなる！
【弁天娘女男白浪】
語れるほど多くも長くも見ていないので、詳しい方からしたら「何言ってんだ」な感想かもしれません。このお話はシンプルな構成だし、あまりにも有名なお話なので、すごく難しいんだろうなあと思いました。
歌之助くんの弁天娘は、お人形さんのようなかわいらしさがあった。少し緊張していたのか、自信がなさそうに見えたのが惜しかった。あと、これは個人的な好みの話なのですが、もっと弁天娘をブリブリ作っても良かったのではと思いました。蚊も殺せないようなお嬢様から、ヤンキー少年への落差が面白いのが弁天娘だと思っているので。そして、弁天小僧が正体を明かすところも、誇張してお下品にやっても良かったのではないかなと思いました。客席の7割以上は弁天娘の正体を知っている上で、このお芝居をするのは難しいよね。偉そうに申し訳ない。でも、「知らざぁ言って聞かせやしょう」からのエンジンの掛かり方が素晴らしくって、そこからはずっと輝いていました。
福之助くんの南郷力丸は、これまた難しいな～～、と思いました。やっぱり歌之助くんと実の兄弟だから、肉親感が出てしまって、義兄弟のシンクロのおかしみが薄れちゃうんだなあ。正体を明かしてからの悪党感は良かったです。花道での見せ場も格好良かったです。
橋之助くんの日本駄右衛門は、存在感がデカくて良い。後ろ姿の格好良い事よ。着物の柄を見せるのが上手い。新春浅草歌舞伎の時にも思ったけど、デカい（物理）お役が得意なのかなあ。いつか千本桜の知盛やってほしいな～～。
【高坏】
勘三郎さんと三津五郎さんの『高坏』を映像で見たことがありますが、生で見るのはこれが初めてです。とても楽しみにしていました。
あほかわって、歌舞伎にもあるんですねええ。頬に手を当ててルンルンしてる橋之助くんのかわいいことよ。橋之助くんって、とてもラブリーな持ち味のある役者さんだと思うのですよ。めっちゃかわいかった。
下駄のタップは、席が近かったこともあり、迫力満点でした。高く足を振り上げたときに、下駄が吹っ飛んで行きやしないかハラハラしてしまうのも含めて、とても楽しかったです。
【更なる期待】
会場の雰囲気は、宝塚の新人公演のようでした。お客さん同士が挨拶をしていたりして、三兄弟のお友だちとお見受けするようなお若い人もたくさん来ていました。終演後は、出演者がパンフレットを手売りしていたり、お見送りがあったりして、皆さんのやりきった表情を見ていると、とても気持ちが良かったです。パンフレットはとても読み応えがあって面白かったです。担任の先生からのコメントがあったりして、盛りだくさんで良かった。お弟子さんが、どういった経緯で一門に入門して歌舞伎役者になったかのインタビューがあって、それも面白かったです。
まずは、第1回の開催おめでとうございます。次回の開催をとても楽しみにしています。そして、いつの日か大歌舞伎になる日を楽しみにしています。願わくば、『桜嵐記』をやって欲しいです。せっかく三兄弟なんだから！
