【伝説】
職場ではわたしが宝塚ファンであることを公にしているので、ちょっとでもテレビで宝塚が取り上げられると、誰かしらが「観たよ」って言ってくれます。で、最近「宝塚でポーの一族やってるの？」「ポー、観た？どうだった？」「ライブビューイングやるんだね！」と、声をかけられることがあるので、その注目度の高さを肌で感じます。プログラムと原作を貸しては「最高だったので観られるなら観た方がいいです。ライビュでもなんでも」と、普段はあまりしない布教活動をしています。
そんなところだから、まあチケット難だよね。わかってはいたけどね。想像以上にね。貸切公演で笠井アナウンサーも言ってたけど、チケットはどこにも落ちていませんね。
伝説になりつつあるこの公演を、ムラ東宝とあわせて３回も観られたこと、とても嬉しく思っています。
ありがたや。ありがたや。
以下、覚書です。
大劇場公演の感想みたいなやつはこっちです。
karashi-channnel.hatenablog.com
【エドガー・ポーツネル/明日海りお】
何度見てもびっくりするんだ。エドガーが銀橋に立って居る！と。
エドガーは少年の姿のままだけれど、人間らしさが徐々に薄くなってゆく様がとても好き。切ない。生きているんだけど、生きてない。でも、死んでもいない。
最後のギムナジウムで、メリーベルの死を語る彼の口調に、長い長い年月を感じて、涙が滲むのでした。あそこの口調というか、温度ががだいすき！！
ポーはフィナーレも良いんだよね。ピンク色のかわり燕尾？みたいなお衣装が好きです。
そしてそして、みりゆきのダンスが、んめっっっっちゃくちゃ良かった！！みりおちゃんが、ゆきちゃんを熱っぽく目で舐める感じが、すんっっっっごく良かった！！男役さんが娘役さんを見つめるのを見るのが一番好きかもしれない。
本編を引きずったまま見てしまうからなのか、みりおちゃんが年下っぽくゆきちゃんにオラついている感じ、それをゆきちゃんが「うふふ」と応えてる感じがたまんなかった。
【シーラ・ポーツネル男爵夫人/仙名彩世】
すごくロマンチックだったよね。登場したときからプリンセス。原作とは違った存在感だったけれど。男爵とのロマンスが描かれていて、夫婦で消滅するのも良かった。ふたりの永遠の愛が消滅する。終わる。切なくて美しくて、宝塚ならでは。
初宝塚の方が彼女に惹かれた！というレポをよく目にしたけど、納得だわあ。エドガーとアランのロマンス（？）では叶えられない、男女のロマンスが描かれている。宝塚歌劇の夢夢しさと、見どころのひとつである『男役と娘役が表現する男女の愛』を、ゆきちゃんとあきらくんがしっかり表現していて、一族の儚さに深みを与えていると思った。
ジェイン（桜咲彩花）のことを二度も気に入ったって言うのも良いよね！大事な事だから2回言ったんだよね！！
クリフォード先生（鳳月杏）に襲われて、床を這って逃げ出す姿が、漫画のコマそのまんまだった。いつもオペラで表情を捉えては『完璧だわ…』と強く思うのでありました。
【アラン・トワイライト/柚香光】
個人的には、あまり芝居のひと、というイメージがないのですが、れいちゃんが『追い詰められてゆく少年』をとても大切に演じてくれて、結果的には期待以上のものを見せてくれて感謝しています（原作ファン目線）
久しぶりに観た時には、ちょっとこなれ感があって「あれれ？」と思うところもあり。わたしが慣れちゃったのもあるかも。歌をうまく歌おうとしてる感じがもったいなかった？うまいヘタ関係なく、そしてれいちゃんに限った事ではないけれど、そういうのって伝わってしまうから、板の上に立つ時には捨ててきて欲しいなって思う。
彼がバンパネラになってからの場面は、最後のギムナジウムの場面だけなんだけど、ただ立ってるだけで人間じゃないのがわかる。たった一言「エドガー」と言うだけなのに、それだけの台詞に、骨董品みたいな存在感があった。
次回作のお芝居にも期待したいところだけど、原田諒作品なんですよね。期待の仕様がなかった( ；∀；)
【フランク・ポーツネル男爵/瀬戸かずや】
原作ではあまり印象的ではなかった男爵なんですけど、宝塚版ではとても良いお役になってて素敵でした。ロマンチックだった。あきらくんの落ち着いたお芝居があったから、このお話に『一族の絆』とか『疑似家族の愛』の一面を見出す事が出来たのでしょう。
原作の「メリーベルをお空へほうり投げるよ」とエドガーを脅す男爵の、品の良いおそろしさが好きだったけど、さすがにそれは出来なかったみたい（笑）しょーがない。
シーラとの結婚を喜んで、ちょっと浮かれてる男爵の無邪気さにも、長い長い彼の人生や孤独を感じました。
宙組・モンテクリスト伯で、悠未ひろさんが着ていたジャケットをあきらくんが素敵に着ていて、嬉しかったです（笑）
【メリーベル/華優希】
ムラで観た時のメリーベルは、お人形さんのようで、それもまた人外感があって好きだったけれど、久しぶりに見た彼女は、情感が豊かで、それはそれは泣かされたのでした。
最後、一族の面々が銀橋へ出て、長い長い時の旅に出るエドガーとアランを見送る。そこのメリーベルの表情が、晴れやかな笑顔で、涙腺が崩壊してしまった。ふたりのこれからの、長い時間を、彼女がどこかで見守っていてくれますように。最初に見たときは、ゴンドラが出てきて笑っちゃったんだけれど、メリーベルの笑顔を見ていたら泣けて泣けて。
華ちゃんも、お芝居に手応えがあったのかな。確信を感じた気がします。
今度はショーでの姿に注目したいです！
