【歌舞伎町】
いやあ、相変わらず歌舞伎町は汚い街ですねえ。トー横に人は転がってるわ、立ち止まると変な人に絡まれるわで、それでも命の危険を感じずに歩けちゃうんだから、日本の治安の良さを感じます。
初日前のお練りには、前日夜更かしをしてしまったので行けず、翌日美容院に行くついでに、イベントで小道具を持たせてもらったり、ボディペイントをしてもらったりしました。面白かった。
中村屋のアドトラックには笑いました。靖国通りを張ってみましたが、本物のアドトラしか通らず、お目には掛かれませんでした。きっと勘三郎さんも「最高じゃねえか。俺にもやらせろ」と笑っているに違いない。あのセンスに眉をひそめる人もお見かけしましたが、わたしはめっちゃ面白いと思いました。だって、江戸時代の歌舞伎役者って、現代のホストを遡ったような存在だった訳でしょう。あと、歌舞伎町のカルチャーへのリスペクトも感じた。
【正札附根元草摺】
虎之助くんのピンと立ち上がった足の親指に釘付けだった。鶴松くんと並んだ姿の美しいこと。虎之助くんの後見がかなめさんだったことにワクワクしましたが、この後彼らにめちゃくちゃ笑わされることになることを、これを見ていた時のわたしはまだ知らない笑
最後の、花道代わりの通路での見得が目の前で見られて、とってもテンションが上がりました。THE江戸の歌舞伎!!って感じで気持ちが良かったし、シビれた。
【流星】
勘太郞さん、ついこの前生まれたばっかりだと思ってたのに、大きくなっていて、声変わりも始まっていて驚いた。背も高いし、もう少年じゃなくてほとんど青年だった。手がとても大きいから、もっと背も伸びるんだろうな。勘太郞さんはどんどんわたしの好きな顔(そもそもお母さんの顔が好き)に成長してゆくので、10年後なおちゃんに狂っている気しかしません(少年には興味がないタイプ)
長三郎さんは、女形をしていながらも、相手役を『男』として見る視線ではなく『おにいちゃま』を見る視線だなと思ったのが面白かったです。いやあの年齢でそれができちゃったら怖いよね。
勘九郎さんの流星は、めっちゃ楽しかった!そこから登場して、そうやって退場するのか!お面のやつだと思っていたから、違うバージョンで楽しかった。勘九郎さんは脚むき出しで踊るので、ダンサーの足の動き大好き連盟所属のわたしとしてはうはうはでした。勘九郎さんは足首の可動域がめっちゃ広い。
【福叶神恋噺】
歌舞伎町っていう日本一の歓楽街で、ヒモ男と貧乏神のハッピーラブコメを見るっていうファンタジー体験が出来るのがとても良かったです。おびんちゃんのようにハッピーに終われる女の人は、この街では少ないと思うけど、おびんちゃんの気持ちになれる人は、この街にいっぱいいるだろうなと思いました。
虎ちゃんの陽キャのヒモ男っぷりが半端なかった。あのぎゃるぎゃるした感じが沼なんだよね~~~。あの明るさ可愛らしさで「かわいい」って言われちゃったら、動揺しちゃうよね~~~。ちなみにアドトラの中で一番指名したいなって思ったのが、虎ちゃんの主任でした。友だち営業掛けられて、毎週笑顔になりたい。
七之助さんのおびんちゃん。かわいいかわいいと聞いてはいましたが、こういうタイプのかわいさだったとは!!年齢設定(神様だから年齢とかないんだろうけど)が、娘より上で、おねえさんって感じなのが良かった。おびんちゃんに女友達がいっぱいいるのも凄く良かった。
勘九郎さんのすかんぴん、そこから出てくるのか!!笑 出番は短いけど、存在感はばっちりで楽しかったです。
かなめさんのおきゃぴちゃん、めっっっっっちゃくちゃ笑った。まさか歌舞伎にホス狂いが出てくるとは思わないじゃん!ずるいよ!かなめさん普通にかわいいし!(おきゃぴちゃんをおブスメイクにしなかったのはかなりエラいと思う)一目見ただけで「実家がかなり太いんだろうな」と思うのも健全で良かった。掃除したての部屋で味噌汁タワーされる絶妙なイヤさにも笑った。イイ波乗ってんね~~。マイク取り合う女の子にも笑った。これYouTubeでみたことあるやつ!
堅苦しくなく、かといってお下品に走るわけでもなく、わたしはこの演目をウェルメイドな作品だと思いました。この場所ならではの観劇体験ができるのがいい。でも、歌舞伎町カルチャーを知らない人は、置いてけぼりになっちゃうのかなとは思いました(コールでポカンとしている人もいたから)役者を変えて、例えばたっつぁんを鶴松くんで、見てみたいなと思う作品でした。「また見たい」と思える作品は、良い作品だと思います。