すーぱーからしちゃんねる

からしがみたものをまとめたものです。

星組東京宝塚劇場『RRR×TAKA"R"AZUKA~√Bheem~』『VIOLETOPIA』

 

【楽しみにしていた】
宝塚歌劇団の生徒が自死したニュースから、どうにも宝塚を見るモチベーションがなくなってしまって、チケットを取るのを控えていました。最後に宝塚を見たのは10月。毎月必ず観劇していたわたしにとって、結構間が開きました。
RRRの宝塚化を発表の時から楽しみにしていたので、「見るモチベないな」と言いつつ、チケットを取るため動いてみたのですが、1枚も取れませんでした。「信心が足りなかったのかな」と思いつつ諦めかけていたのですが、奇跡的にご縁を頂いて、東京の初日を観ることが出来ました。


【RRR×TAKA"R"AZUKA~√Bheem~】
すごく楽しかったし、生で観られて本当に良かった。特に、ナートゥの楽しさ華やかさ、演出の派手さは、劇場でないと味わえませんね!あの激しい踊りを、ヒールを履いて、歌いながら、カット無しで踊ってしまうタカラジェンヌの体力がおそろしくも素晴らしい。ナートゥは、パーカッションとドラムもすごく良かったなあ。インド音楽の特徴的なシャンシャンした感じが癖になって、劇場を出てからも、ずっと頭の中をぐるぐるしていた。
有名なビームとラーマの出会いの場面である橋の場面は、銀橋を立体的に使っていて、迫力があった。コロスの存在も効果的で、映画に負けず、こちら側に迫ってくるような迫力があった。
最後の客席降りも楽しかった!客席降りのみなさんが、パークダンサーみたいな感じで客席とコミュニケーションを取ってくれるから、とっても楽しかったです。
わたしは暁千星さんが好きなので、ずっとありちゃんを観ていた。ありちゃん格好良かった。特に、歩き方がめちゃくちゃマッチョで良かった。
ありちゃん様ラーマが「ナートゥをご存じか」と言った瞬間に「待ってました!」と大向こう掛けそうになった歌舞伎オタク。脳内で叫ぶに留まりました。我慢できて偉い。
最後にお着替えして、ギラギラのお衣装で、弓矢持って出てきたときには、『マハーバーラタ戦記』が始まったかと思った。
楽しかったんだけど、このお話を日本人がエンターテイメントとして上演して良いものかな、とは思った。原作の『RRR』って、人種差別や植民地支配を描いたお話だったよね?原作映画を観たときにも思ったんだけど、イギリス人はこの映画を見るときどんな気持ちになるのか、その態度を、かつて植民地支配した側の国の人間である私は、参考にしたいなと、思ったりもしました。

 
【VIOLETOPIA】
なんか2000年代の宝塚の雰囲気がありませんでしたか?それが懐かしくて楽しかったです。衣装もセットの色彩も綺麗でした。世界観がしっかりしているショーでありながら、曲もたくさんあって、レビューの要素がしっかりあって、とても良かったです。
客席降りも楽しかった!先頭グループで走ってくるこっちゃんと目が合ってからの記憶が曖昧です(笑)
ロケットに4人組の男役が入ることによって、とても健康的な雰囲気になるんだな~という発見がありました。こんな風に、見せ方のメッセージを変えていくのはとても良いことだと思います。
わたしはありちゃんファンなので、ありちゃん様の事ばかり書きますが、今回もありちゃん様は最高だった。
ねえ!!ありちゃん様が"Highway Star"歌うなんて聞いてなかったよ!めちゃくちゃDeep Purpleだったし、ワンフレーズだけかと思いきや、フルコーラスだった。ギターソロのところのダンス格好良かった。
ありちゃん様の背中がムッキムキなのも最高だった。お強そうで素晴らしい。
そして、予想以上にありちゃん様の2番手羽根に感動してしまった。初舞台を思い出すなどした。このまま推してゆこうと思った。


【これから】
静観しているべきだとは思っていますが、黙っていては、何も考えていない、感じていないと判断されてしまうと思ったので、自分の考えをまとめます。
公演は楽しかったですが、どうしても舞台を見ながら『でもハラスメントの上に出来てる舞台なんだよね、これ』と思ってしまいました。すごくしんどかったです。未だに失われた命と向き合おうとしない宝塚歌劇団ステートメントを読んで、劇団のことを信じられない気持ちでいます。劇団に、わたしが何もかも忘れて、宝塚を観に行っていると思われたくありません。
宝塚歌劇団が、一流のエンターテイメント集団でありますように。そのためには、頭からつま先まで、変わるべきところを、変えてゆくべきだと、わたしは思い、願っています。

東京ドーム『QUEEN+ADAM LAMBERT The Rhapsody Tour』

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2024年2月14日 セットリスト
Machines
Radio Ga Ga
Hammer to Fall
Fat Bottomed Girls
Another One Bites the Dust
I'm In Love With My Car
Bicycle
I Was Born To Love You
I Want It All
Love of My Life
手を取り合って
Under Pressure
Tie Your Mother Down
Crazy Little Thing Called Love
You Take My Breath Away
Who Wants To Live Forever
Is This the World We created..?
A Kind Of Magic
Don't Stop Me Now
Somebody To love
The Show Must Go On
Bohemian Rhapsody
Ay-Oh
We Will Rock You
We Are the Champions
God Save the Queen


母が洋楽好きなので、この時代のロックを聴いて育った。QUEENもそのうちのひとつだった。少女時代には、ブライアンのギターソロをたくさんコピーした。


昨年末、実家で紅白歌合戦を見ていた。何気なくQUEENのパフォーマンスを見ていた時、衝撃が走った。『このアダムって人、昔gleeに出てた人じゃない!?ていうか、めちゃくちゃ歌上手くない!?』大晦日のうちに、来日コンサートがあることを知って、すぐにチケットを手配した。一緒に見ていた母も「この人がボーカルなら見に行きたい」と。

 

母はこの日をとても楽しみにしていた。
ちょうど、QUEENの初来日の時期にティーンエイジャーだった母は、当時のライブに「お金がなかった」から行けなかったそうだ。そんな母は「まさかあの時には、娘と一緒にQUEENのコンサートに行けるだなんて、思ってもみなかった」と言っていた。1週間前くらいから「物販は?」「Tシャツは絶対に欲しいから、早めに行く!」と気合い十分だった。
当日、念願のTシャツを手に入れて、着替えを済ませた母は、銀だこでしあわせそうにたこ焼きを頬張っていた。

 

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見切れ席を買ったのに、視界は良好。スタンド席にしてはステージも近かった。これはかなりラッキー。

 

客席には本当に幅広い世代がいて、QUEENno人気というか凄さを思い知った。母世代のおねえさまたちが最も多かったと思うけど、わたしたちみたいに大人の子どもを連れた人も多かった印象。
会場には、QUEENモチーフのダイヤ柄のお着物を着たご婦人や、コスプレをした人もたくさんいて楽しかった。フレディのコスプレした人5人くらい見た。ロジャーの女装のコスプレした人は3人くらい見た。

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踊り暴れ叫び、狂った!!最高の夜だった!!
撮った写真も動画も全部ブレブレで面白いことになっている(笑)

 

QUEENとアダム、独立した2つのアーティストによるステージって感じで、思い出に浸り商売ではない、今を生きるアーティストのコンサートになっていて、とても良かった。フレディもちゃんと存在していて、でも、アダムへのリスペクトもあって、良いチームだなと思った。『手を取り合って』をみんなで、しかも東京で歌えたのは本当に嬉しかったな。


ブライアン大先生の伝説的なギターソロの数々に飛び上がって踊れる日が来るとは。ブライアン・メイは、ギターをやっていたわたしにとって、神様以上に神様みたいな人ですからね。そんな人の生演奏を聴いて踊れるって、めちゃくちゃしあわせなことなんよ。ソロで日本のふるい歌、『さくら』を弾いてくれたのがとてもとても嬉しかったです。『遠き山に日は落ちて』、ブライアン大先生は、日本では『新世界より』のこの曲に、歌詞が付いて歌い継がれていることをご存じだったのでしょうか。

 

正直、ロジャーが花道に出てきてくれるとは思わなかったので、前に出てきてくれて嬉しかった。「あれは、若い野郎。これは、じいさん」と、短いながらも、チャーミングなMCで笑わせてくれた。

 

このコンサートですっかりアダムのファンになってしまった。アダムの歌声は、本当に天まで届くような歌声だったのです。ステージングもゴージャスで美しいし、バンドのフロントマンとして魅力的。また彼の歌を聴きに行きたくなっちゃった!

 

わたしが「最高だー!!」と叫ぶと、周りの人たちも口々に「最高だ!」「サイコー!!!!」と叫びだして楽しかった。これがライブの一体感で、ハッピーなところ。
目の前に背の高いお兄さんが立っていて、お兄さんたちの頭の間から見る感じだったんだけど、ふたりとも爆踊り大盛り上がりで楽しそうだったので、むしろこの視界で見られて楽しかったなと思いました。


帰り道、母はずっと「楽しかった!」と言っていた。わたしの家に泊まって、ふとんに包まった母のまるっこい背中は、しあわせそうなカーブを描いていた。
もちろん、わたしも楽しかったし、嬉しかったよ。

 

 

ありがとう また来てね

歌舞伎座『新版歌祭文-野崎村-』『籠釣瓶花街酔醒』

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昼の部で切符を買っても良かったんだけど、はっきり言ってわたしは『釣女』が嫌いなので、『野崎村』と『籠釣瓶』どちらも幕見で見た。『釣女』は古典だからといって、女を釣ってくるという発想が嫌いだし、なによりブスで笑いを取る構成が大嫌いだ。この世にかわいくないブスなんていません。笑われて良いブスもいません。


【新版歌祭文-野崎村-】
お光/鶴松
久松/七之助
お染/児太郎
久作/彌十郎
お常/東蔵

評判通り、鶴松くんが素晴らしかった。「あにさん、おまめで」が今まで見たことのないお光で、わたしは泣いてしまった。最後の慟哭にも泣いてしまった。お光、男は他にもいるよ。話聞くよ・・・(出家するんだってば)鶴松くんの大根の千切りが上手だった。普段からお料理する人に違いない。あの立派なお大根は、あの後お味噌汁の具になったりするんだろうか、などと考えていた。
児太郎さんのお染もよかった。すぐに死ぬって言い出すところが、いかにも都会の女の子らしくて良かった。児太郎さんのやわらかい女形が好きです。


【籠釣瓶花街酔醒】
次郎左衛門/勘九郎
八ツ橋/七之助
治六/橋之助
釣鐘権八/松緑
栄之丞/仁左衛門

七之助さんの八ツ橋の微笑は、この世のものとは思えない天女様のような笑みだった。愛想尽かしの場面では、不安定な心情と揺らぐ気持ちが鮮やかに見えました。八ツ橋はあの間夫が好きで、利用されているのもどこかで気が付きながらも、離れたくないんだよね。わかります。
勘九郎さんの最後の台詞、八ツ橋の亡骸に注がれる視線、すべてに狂気が満ちていて、ゾッとして美しかった。こういうのをわたしは歌舞伎に求めているんだ。次郎左衛門が足袋を脱ぐところがめちゃくちゃ怖い。店にやって来たときから、八ツ橋絶対殺すマンじゃんこの人。この話、実際にあった事件が元になっているんだよね。吉原はこわいところだ。橋之助くんのお芝居がとても良かった!!顔を真っ赤にして、涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにして、悔しさと怒りとやるせなさと羞恥を爆発させるお芝居に感動しちゃった。幕見席まで感情が飛んできて、本当に素晴らしかった!
仁左衛門さんは本当に格好良くて若々しくて、瑞々しくて、両手を合わせて拝んでしまった。
芝のぶさん、鶴松くんの花魁道中が見られたのも嬉しかったです。