すーぱーからしちゃんねる

からしがみたものをまとめたものです。

月組大劇場公演『今夜、ロマンス劇場で/FULL SWING!』

【期待】

れいこちゃん(月城かなと)とうみちゃん(海乃美月)のお披露目公演です。とっても楽しみにしていました。博多座の『川霧の橋/Dream Chaser-新たな夢へ-』を配信で見て、2人の雰囲気がとても美しく、芝居の息もあっているのを知って、お披露目公演への期待は最高潮に高まっていました。れこうみコンビが、ちなつ(鳳月杏)を2番手に、雪組から彩みちるちゃんを迎えた新生月組、書いているだけでもわくわくします!

1週間前に花組を見る予定で(初宝塚の男友達をアテンドする予定だった)いたのに、公演中止になってしまい、全身が震えるほど悲しかったです。しくしく泣いた。このご時世、突然公演が中止になる可能性は十分ある。
この状況下でも遠征を諦めなかったのは、SS席が当たっていたからです。SS席のセンターなんて、なかなか座れる席じゃあない!正直、客席に座って開演のブザーを聞くまで、安心できませんでした。往来の新幹線は土曜日なのに、空いていました。ちゃちゃと日帰り遠征をキメて来ました。
行って良かった。見られて良かった。ヅカヲタ人生第3章の扉も開きかけている。遠征から数日経ちますが、お陰様で毎日が楽しいです。今回は、そんなテンションですが、どうかウザがらずにお付き合い下されば幸いです。

演目の発表があってから、原作映画をアマプラで見ました。綾瀬はるかが可愛く美しく、特に衣装が可愛かったのが印象的でした。ここは宝塚のお衣装部の腕が鳴るところですよね。お話もロマンチックで、派手さはないのだけれど、ラストシーンにはじんわりと涙を流せる、知る人ぞ知る素敵な邦画だったなあといった印象です。
配役発表も楽しかった記憶があります。原作映画と役を照らし合わせてみたり、映画にない役を見つけて面白がったり。特にありちゃん(暁千星)の大蛇丸。君は穢土転生して優勝するタイプの大蛇丸かい?
小柳先生は、『Shall We Dance?』での実績もありますし(わたしはこの公演でれいこちゃんの顔とお名前を覚えました)不安なところは一つもありませんでした。自分の性壁と相容れないタイプの萌えがあったらイヤだな、と思ったくらいです(あるんじゃん)

ショーは、久しぶりの三木先生。ヅカヲタビギナー時代は三木先生のショーで育てられたので、久しぶりに見られるのが嬉しかったです。初日からTLに流れてくる『客席の手拍子が合わない』というレポも気になっていて、どんな変拍子でも鬼のテンポキープに絶対の自信があるわたしは、なぜか手拍子を間違いなく打つことに使命感を抱いておりました。裏拍手って、慣れていないと難しいよね。スカ仕込みの裏拍子をご披露する時がやってきたぜ!!

さて、今回の記事では、特にお芝居のネタバレに触れています。映画をご覧になっている方にとっても、重大なネタバレだと思います。ぜひ、真っ新な状態で観劇して頂きたいので、観劇のご予定のある方は、今作をご覧になってからお読みになる事をお勧めします。


今夜、ロマンス劇場で

英題は『Color me true.』ということなんですけど、なるほどそういうことなのかー!って思って泣いた(ちゃんと説明して)

映画版では、モノクロの色彩のまま現実世界に飛び出てきた美雪が、化粧をすることで色を得ていたので、舞台ではどうするんだろうと思っていました。ラストシーンの大詰めで、映画の世界の人たちが色を得る。現実世界の人たちが各々の人生を終えて、ファンタジーの世界の人たちとひとつになる。触れ合えるようになる。気持ちを最高潮に盛り上げて迎えるラストシーンに、涙がドバドバ流れて止まりませんでした。コンタクト流れるかと思った。
このひと場面だけに色付きの衣装やかつらを用意する宝塚歌劇の、潤沢な資源にも感動した。ラストシーンの花吹雪までレインボーだったもん!この作品は、色が印象的に使われていて、それが明るく華やかで、お正月公演に相応しい気分だったと思います。
映画という2次元の世界が、うまく3次元になっていたなあと思うのです。スクリーンセーバーとか、カラオケの画面みたいな映像じゃなくて、ちゃんと意味のある、効果的な映像の使い方も良かった。視覚的なところだけではなく、芝居も立体的になっていたのが良かった。特に、映画版では一切触れられずに終わってしまった、映画の世界に残された人たちが描かれているのが楽しかった。
年老いた健司も同一の役者が演じているのが、舞台的でとても良かった。映画では別の俳優さんだったので。同一の役者が一生を演じきった後にラストシーンへ向かう盛り上がりが、涙を誘うのよね。れいこちゃんのお芝居もよかった。年を重ねる健司と、年老いない美雪を、同時に見せて、様々なカップルが踊って演じるのも良かった。彩音星凪くん格好良かった。
月組は芝居が全体的に緻密なのが素晴らしいよね。特に感心したのが、師長役の姫咲美礼さん。健司が息を引き取った後に、両手を重ねてあげて、頭を下げていたのがとても印象的でした。ただのお小言上司になっておらず、看護師長としての説得力があった。

れいこちゃんの健司は、派手になりすぎず、純朴だけど美しい主人公になっていた。宝塚で演じられる日本人男性って、少し珍しい感じがして大好物なのはわたしだけでしょうか。健司の髪型が、良い感じに床屋で切った感があって萌えた。後頭部がかわいいんよ…。お披露目だし、もう少したくさん衣装を着て欲しかったけど、そういう役じゃないから、次回作に期待。あと、れいこちゃんは声がいいよね。声が立っている。台詞が優しくまろやかに聞こえる。お人柄が滲み出ている気がする。

うみちゃんは、お披露目に相応しく、きゃわいいお衣装を取っ替え引っ替え着せられていて、目が嬉しかった。ドレス捌きやお衣装の着こなし、浮ついたところのない立ち姿は、さすがだなあと思いました。れこうみコンビには、落ち着いたしっとりした魅力があると思うのです。老年の健司と向き合う時のお芝居が本当に素晴らしくて、涙が止まりませんでした。

ちなつの俊藤さんに関しては、語り出したら止まらない。俊藤さんの自己肯定感の高さを見習いたいです。原作映画の北村一輝もぶっ飛んでいたけれど、それを上回るちなつの俊藤さん。プログラムのインタビューでも語っていたように『宝塚では突然歌い出したり踊り出したりするのは普通のこと』なのに、俊藤さんが踊り出すと突然シュールな場面になっちゃうのは、ちなつの技術だと思う!!本来ちゃんと踊れる人なのに、めちゃくちゃ顔で踊っているし、レッツ輪廻⭐︎って歌っているし、どういうリアクションを取ればいいかわからず、スペースキャットみたいな顔してたと思う(笑)脚を組むために座って、一瞬で立ち上がるところとか、本当に好き。なにこの無駄なモーションwww 俊藤さんの女なのか、その関係性が非常に気になる白雪さち花ちゃんもめっちゃ好き。相手役なのに、なんで連獅子やんのwww なんでさち花ちゃんが親獅子なのwww どういうハンサムガイ企画なのwww 連獅子のお衣装も当然のように持っている宝塚歌劇団ほんとっょぃ

ありちゃんの大蛇丸にも笑いました。押入れから出てくるなんて反則すぎる。エリザベートのパロディめっちゃ笑った。曲者なのに、可愛らしいところもあって、おとぎの物語の住人らしく、憎めないキャラクターになっていて、愛せる!と思いました。従者のふたりとの小芝居ももっとちゃんと見たい。狭霧の礼華はるくん、大きくていいよね。最後の場面、雨霧ちゃんがいなくて寂しかった。なんとかなりませんか(それはちょっと難しそうです)

おだちんの山中は、原作だと結構激しく健司とぶつかっていた印象があるんだけど、その辺がマイルドになっていて良かった。喧嘩して欲しくないふたり。

彩みちるちゃん、社長令嬢としての在り方が完全に優勝していた!儚い砂糖菓子のような輝き!

忘れちゃいけないのが三獣士の3人!原作映画であんな一瞬しか出てこないキャラクターを、こんなに愛らしく大活躍させてくれて、小柳先生どうもありがとう!電話ボックスから出入りする3人めっちゃ可愛かった。わたしが見た日は、蓮つかさくんはお芝居だけ出演されていたので、狸吉はれんこんでした。お髭がとっても可愛かった〜。しっかり養生して、また可愛い狸吉を見せてくださいね。鳩三郎の柊木絢斗くん、覚えた。いちばん美味しい役だったね!

セブンカラーズの面々も可愛くってデレデレしちゃったよ!結愛かれんちゃんを見ながら、白河りりちゃんを見ていた。

印象的な登場人物が多すぎて、語り尽くせないんですけど、東京公演ではもっと視界が広がっているはず(多分)なので、東京公演を楽しみに待ちます。

【FULL SWING!】

ノーブルで大人っぽい雰囲気のショーで、とっても楽しかったです!初見でSS席だったので、視界は狭いし、途中から視点は固定されるしで、全体的なことは全然わからないまま終わっちゃったんですけど、非常に楽しかったです。
噂になっていた手拍子も、わたしが見た日には揃っていたように思います。主題歌はとてもおしゃれで、宝塚独特のビート感が控えめだから、裏拍を取るのが難しいのかな。でも、この主題歌には裏拍だよね!手拍子していて楽しかったです。欲を言えば、もう少し手拍子を入れて欲しいかな。もっともっと盛り上がれると思うんです。

れいこちゃんが美しすぎて発光していたことは、言うまでもないし、その美しさに負けずに輝いていたうみちゃんも素晴らしい。ちなつは足が50メートルあるし、途中で俊藤さん出てきちゃったと思ったらジゴロだった。ウインクばしばし飛ばしていて頼もしさすらあった。ありちゃんは踊らせておけばいいみたいな扱いは良くないと思います!勿体無い!おだちんは、貫禄がありながらも、背伸びしない等身大の姿で場面をグイグイ引っ張っていた。みちるちゃんが、1人で銀橋を渡っていたのが良かった。My Wayのコーラスのピュアなエネルギーに涙した。ネコちゃんのロケットも斬新で可愛かった。デュエットダンスは、れこうみだけで見たかったけれど、出ている人はみんな好きだ。エトワールは、白河りりちゃんときよら羽龍ちゃんが声量も大きくてツヨツヨだったので、最後に歌い出すおだちんのことが心配になりましたが、更にツヨツヨな上にコブシまで効いていたので取り越し苦労でした。今回のエトワールはツヨツヨのツヨ。おはねちゃん、お怪我早く治るといいね。

こんな感じで、駆け足でショーを振り替えなければならないのは、中盤でとんでもないものを目撃してしまって、記憶は飛ぶし視点は固定されちゃうしで、大変な目に遭ったからなんですよ。
終演後「ありちゃん格好良かった」としか言えなくなってたんですよね。ありちゃんが、わたしの隣の人を一本釣りしていたのですよ。指差ししてウインクするという、「お前を逃さない」的な見事な一本釣りをしていたんですよね。それにつられて釣れちゃいそうになったのが、このわたしってワケ!
最近の良くない癖で、舞台を見ながら『ブログに○○って書こう』と思いながら見てしまう、あまり没頭できていない楽しみ方をしちゃってたんですよね。でも、この日は違った。語彙を無くすというか、感じたことを言語化する余裕がないくらいに、舞台に没頭していたし、ありちゃんを目で追っていた。
『It's all right with me.』のありちゃん格好良すぎて5回くらい心拍止まった。
前に月組さんをSS席で拝んだ時は、ありちゃんはまだ下級生で可愛い雰囲気のほうが強めで、ショーでは顔に汗をだくだくかいて、それはそれはかわいかったんじゃよ。しかし、この日のありちゃんは涼しい顔で爆踊りをしても息も切らさずに、前髪をかき上げていた。この成長を目撃できた喜び。尊……。今では初舞台から成長を見守ってこれたことに感謝し始めている。もうダメかも知れない。

【ヅカヲタ第3期スタートなるか?】

ありちゃんが「おとなになった僕を見て」って言ってた。※言ってません。
あと一押しされたら、沼にドボン!と落ちると思います。お茶会があったら一発だった。今回はストンと着水せずに、ジタバタもがいて沈んでゆく感じなのかもしれないし、沈みそうで沈まないのかもしれない。膝まで浸かったままで終わるかもしれない。でも、津波とか洪水って、膝まで浸かったらもう助からないって言うじゃないですか。どうなんですか。来るんですか。来ないんですか。
押すなよ押すなよの茶番をお友達と繰り広げながらも、お祝いのメールを頂いたりして、ヅカヲタ第3期スタートの予感で毎日とても楽しいです。キャトルで『暁』だらけのレシートの買い物をしたり、書きなれない漢字なので宛名のために練習したり。
自分で書きながら思ったけど、こいつもう相当ダメじゃん(笑)
夢の花束を差し出されても、素直に受け取らない展開なのかもしれない。そうか、ポスターカレンダーのありちゃんはフラグだったのかも知れない!これはこれで、面白いし楽しい。
東京公演でも一桁列どセンター席が当たってしまったので、運にまで背中を押されてしまったとなると、もう逃げようがないのかもしれない。もう、どう転がっても面白いし楽しい予感しかない。
今年は面白い年になりそうです。